「食前キャベツ」で免疫力を一気に高める

答えてくれる人

医学博士

藤田紘一郎先生

1939-2021。寄生虫学、感染免疫学、熱帯病学を専門とし東京医科歯科大学名誉教授を務める。ユニークな視点と語り口から寄生虫博士、カイチュウ博士として人気を博す。著書に『笑うカイチュウ』、『腸内革命』、『脳はバカ、腸はかしこい』など多数

食物繊維が
腸をきれいにそうじする

突然ですが、みなさんは食事をする際、なにから箸をつけますか? 温かい味噌汁という方も、ツヤツヤご飯の誘惑には勝てない、という方もいらっしゃるかもしれません。わたしはというと、毎食必ず野菜を、なかでも「キャベツ」をはじめに食べるようにしています。

野菜に含まれる食物繊維には、じつに多様なはたらきがあります。まず、糖質の吸収を抑え、血糖値の上昇スピードをゆるやかにします。さらに、食物繊維は腸をそうじするのに欠かせない存在。腸内細菌が活発にはたらけば毎日の快便も助けてくれますし、肌ツヤもよくなりますね。

そこでわたしがおすすめするのが「食前キャベツ」です。その方法はじつにかんたん。小皿いっぱい(約100g)の生キャベツを食事の前に食べる。これだけで、食物繊維量は約2g、1日3食で毎日6gもとることができ、1日の摂取目標値19gに大きく近づきます。

また、キャベツにつけるのは味噌がいいですね。前回お話ししたとおり、味噌は腸内を整え、老化を食い止めます。既製品のドレッシングやマヨネーズは保存料などの食品添加物が多いので避けてください。

食事は食物繊維→発酵食品→タンパク質→炭水化物の順番が理想的。無理をしてもつづかないので、まずは野菜をはじめに食べることからはじめよう

食べる順番を工夫すれば
病気予防やダイエットも

「食前キャベツ」をすすめる理由は、じつはほかにもあります。キャベツはがんを予防する作用が非常に高いことがわかったのです。アメリカ国立がん研究所によると、ニンニクに次いで2位だといいます。

つまり、毎日キャベツを食べれば腸内環境が整うだけでなく、がん細胞をやっつけ、免疫力までグンと高くなるというわけです。

この習慣のおかげでわたしもピンピン元気。知り合いには半年で10㎏もの減量に成功し、ますます健康で若々しくおられる先生もいらっしゃいます。となれば、「食前キャベツ」、実践しない手はありませんね。

さらに、これからはぜひ食べる順番も意識してください。同じ内容の食事でも、順番ひとつで体調がガラッとかわるもの。キャベツのあとは発酵食品、次にタンパク質、最後に炭水化物をとるのが賢い食べ方です。空腹時に糖質の高いご飯や麺類などの炭水化物から食べると、血糖値は急上昇。糖尿病や肥満だけでなく、血液もドロドロで血管がつまりやすくなってしまうのです。

寒くなると生野菜は敬遠しがちですが、冬のキャベツは噛むほどに甘みが増しておいしいですよ。この習慣をはじめれば腸も大いにはたらき、病気になりにくいからだが手に入るでしょう。

今日からすぐできる!
食前キャベツのすすめ

千切りよりざく切りが効果的

ざく切りにするとよく噛んで食べるため、満腹中枢を刺激したり、胃腸の消化を助け、脳の活性化にも

味噌やオリーブオイル、塩をつけて

市販のドレッシングやマヨネーズは添加物がいっぱいで腸にダメージが。味噌を選べば腸もごきげんに

じっくり味わって食べる

食事をはじめて満腹感を感じるまで20~30分かかる。理想はキャベツを10分ほどかけて、じっくり食べること

ふだん、野菜を意識して食べている方も多いと思います。今回の「食前キャベツ」は手軽で生活にもとり入れやすいので、ぜひ実践してみてください。野菜をたくさん食べるのが苦手な方は、健康食品で補うのもおすすめです。

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2024/04/27 23:51:30