悪玉菌でボロボロになる前に「サラダ油」をやめなさい

答えてくれる人

医学博士

藤田紘一郎先生

1939-2021。寄生虫学、感染免疫学、熱帯病学を専門とし東京医科歯科大学名誉教授を務める。ユニークな視点と語り口から寄生虫博士、カイチュウ博士として人気を博す。著書に『笑うカイチュウ』、『腸内革命』、『脳はバカ、腸はかしこい』など多数

病気になる油を
口にしていませんか?

みなさん、食べ物で気をつけていることはありますか? 健康ブームの昨今、さまざまな情報に振りまわされることが多々あります。

なかでも、油ほど誤解の多い食品はないでしょう。調理油として一般的なのはサラダ油。健康に気をつけている方には「コレステロール0(ゼロ)」や「脂肪がつきにくい」といったヘルシーオイルが人気ですね。しかし、一見からだによさそうなこれらの油も、とり過ぎると腸を汚してしまうのです。

原因はサラダ油に含まれるリノール酸。からだに必須な成分ではありますが、リノール酸は納豆や野菜などあらゆる食材に含まれるため、調理油からとると過剰摂取に。すると腸は炎症を起こし、悪玉菌でドロドロに汚れます。

さらに恐ろしいことに、腸に細かな穴が空き、ボロボロになって毒素や老廃物がからだ中にもれてしまうのです。アレルギーや倦怠感、頭痛、ドライアイ、うつなどの現代人に多い症状も、これが原因で起きるケースが多い。「自分は大丈夫」と思われるかもしれませんが、いま日本人の約7割の腸に穴が空いているという研究データもあります。

サラダ油※ やキャノーラ油は腸にとっては敵。積極的にとりたいのはオメガ3脂肪酸だ。1日の目安は大さじ1杯程度だそう
※ コーン油、落花生油、米ぬか油、紅花油、ひまわり油、大豆油、菜種油を指す

オリーブオイルや
オメガ3脂肪酸をとって

そうはいっても、すべての油が悪いわけではありません。油は健康なからだづくりに不可欠なもの。大切なのは、腸が「嫌う油」と「好む油」を知ることです。サラダ油は腸が嫌う油なので、極力控えてください。

では、腸が好む油とは。それは「リノール酸のすくない油」です。わたしが愛用しているのはオリーブオイル。便が軟らかくなり、便秘解消に役立ちます。

また、エゴマ油や亜麻仁油(あまにゆ)もいいですね。腸の炎症をしずめるオメガ3脂肪酸が含まれ、空いてしまった穴も塞いでくれるのです。しかし、これらの油はスーパーでもとり扱いがすくなく、手に入りづらい。そこでおすすめなのが、サバやアジなどの青魚。こちらにもオメガ3脂肪酸は含まれるので、積極的にとりましょう。

また、腸をきれいにするには調理油をかえるだけでは不十分です。なぜなら、腸が嫌う油はレトルト食品や菓子類などあらゆるものに隠れているから。パッケージの原料表示欄に「植物油」と書かれているものはリノール酸を主成分とする油なので避けたいもの。右にいくつか食品をあげましたので、参考にしてください。

今日口にしたその油が、明日のからだをつくります。よい油を選択し、腸をきれいに保ちましょう。

こんなものにも!
リノール酸が多い食品はコレだ!

調味料

サラダ油
マヨネーズ
マーガリン
ドレッシング
など

菓子類

揚げせんべい
アイスクリーム
チョコレート
など

その他

インスタント麺
レトルト食品
ファストフード
コンビニ弁当
など

これらの油は酸化しているため、有害物質も含んでいる。悪玉菌が増えるいっぽうなので、できるものから減らそう

急にすべての油をかえるのはむずかしいですが、たとえばドレッシングを手づくりするだけでも腸はよろこびます。藤田先生のおすすめは、亜麻仁油にレモン汁と岩塩をふりかけるだけのシンプルなドレッシング。かんたんなのに、とてもおいしいそうです。

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2024/11/07 7:43:56