脂肪を燃やし、からだを温める「褐色脂肪細胞」を味方につけよう

赤ちゃんが温かいのは
褐色脂肪細胞のおかげ

「脂肪細胞」と聞くと憎々しく感じる人も多いだろうが、脂肪細胞には性質の異なる2種類が存在する。ひとつは、細胞内に栄養を貯蔵する「白色脂肪細胞」。そしてもうひとつが、脂肪を分解して熱の産生・体温調整を担う「褐色(かっしょく)脂肪細胞」。赤ちゃんや子どもがぽかぽかと温かく代謝が活発なのは、褐色脂肪細胞のはたらきに由来する。

長年、褐色脂肪細胞は乳児期にのみ存在し成長するにつれ消滅すると考えられていたが、近年の研究では成人でも肩甲骨や脊椎の周囲に存在することがわかってきた。この細胞の機能が低下すると熱を生みだす能力が衰え、体温や代謝、免疫力の低下や太りやすさにつながる。

いかに活性化させるか、が重要なポイントだ。

昔ながらの食材が
トリップチャネルを刺激

褐色脂肪細胞の活性化には、からだへの寒冷刺激が有効。皮膚表面にある温度センサー「TRPチャネル」(通称:トリップチャネル)が冷たさに反応すると電気のスイッチのようにはたらき、褐色脂肪細胞を活性化させる。寒い季節に外でおこなう寒中水泳や乾布摩擦は、まさにトリップチャネルを刺激する行為。なじみ深い健康法は科学的にも正しかったのだ。

とはいえ、慣れない素人がいきなり寒中水泳をはじめるのは非常に危険。そこで、おすすめなのが食べ物での刺激。トリップチャネルは口の中や胃、腸にも存在し、特定の食べ物の成分でスイッチを入れることができる。

具体例を挙げると、ショウガのジンゲロール、ニンニクのアリシン、ワサビや和からしのイソチオシアネート、青魚に含まれるDHAやEPA、緑茶のカテキンなど。日本人が昔から食べていたものが多く、挑戦しやすいのがうれしい。

今年はこれらの食べ物をとり入れて褐色脂肪細胞を活性化し、熱を効率よく生みだす「ぽかぽかなからだ」づくりにとり組んでみてはいかがだろう?

熱を生みだす「褐色脂肪細胞」
活性化させる食べ物はこれ!

A群

青魚、トウガラシ、ショウガ、黒こしょう

B群

緑茶、ニンニク、ワサビ、和からし、タマネギ、シナモン

C群

ミント類

トリップチャネルは3種類存在し、それぞれ刺激できる食べ物が異なる。1種類ずつ食べてもよいが、A・B・C群それぞれのグループの食材を同時にとると、より効果的

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2024/04/25 0:44:43