アジアの夏は、冷やさない 日本人が忘れてしまった健康法

「冷やし中華」は
中国の料理ではない!?

蒸し暑い日本の夏。冷たいアイスクリームやビール、冷やし中華が恋しくなる季節だ。ところで、夏の風物詩ともいえる冷やし中華は日本生まれなのをご存じだろうか?

起源は諸説あるが、昭和初期に仙台の中華料理店で夏の集客メニューとして考えられたとされる。クーラーのない店内でもおいしく食べられるよう、麺も具もたれもキンキンに冷やして提供したのだ。冷たい食べ物・飲み物が大好きな日本人らしい発想である。

名前に「中華」と入っていても、中国はからだを温めることを重視する文化圏なので、冷やし中華のようにからだを冷やす料理へのなじみは薄い。コンビニでは1年中アツアツのおでんがカウンターに並び、真夏でもよく売れるというから驚く。

ちなみに、香港など広東地方で盛んな「飲茶(ヤムチャ)」も、温かい中国茶を何杯もおかわりしてからだを温めながら会話を楽しむのが本来の姿。お茶ではなく、食事を目的とした飲茶は日本式である。

外気温40℃を超えても
水は常温にこだわる

人間の免疫力は体温が1℃下がると30%低下し、1℃上がると一時的に最大5~6倍アップするとされる。病気を防ぎ健康でいたければ、夏でもからだを冷やさないことが重要だ。

先人たちはこのことを経験的に知っており、文化・風習として伝えてきた。熱帯~亜熱帯に属する台湾でも冷たい食事が敬遠され、学校には蒸気で弁当を温める機械が常備されているし、外気温が40℃を超えることもあるインドでは冷たいものは好まれず、飲み物といえば常温の水かチャイが主流である。

医療の発達した日本では「病気になったら医者にいく」考え方が浸透しているが、アジア諸国に目を向ければ「病気にならないための予防」がいまでも重視され、気温や季節を問わずからだを温めることが常識となっている。夏場は体調をくずしやすい……とお嘆きの方は、からだを冷やし過ぎていないかふり返ってみよう。

世界では非常識!?
体調不良や夏バテを招く夏の習慣をふり返る

氷入りお冷

冷水は吸収がはやく、スポーツ後や風呂上がりには有効。ただし胃腸への負担が大きいので、お店では氷なしをお願いして

冷たい食事

ざるそば、そうめん、冷やし中華……。冷たいものだけで食事を完結させないように。温かいスープなどをプラスしよう!

クーラー

熱中症対策には有効。ただし、空調のきいた室内では温かいお茶を飲んで胃腸を温め、からだを冷やし過ぎない工夫を

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2024/04/25 6:51:29