腰痛や便秘がある人は
要注意!?
だんだんと気温が低くなってきたが、冷え対策は万全だろうか。自覚しやすい手足の冷えはすぐに対処できるが、からだの中心ほど冷えに気づきにくく悪化してしまいがち。服の中に手を入れて腰周りを触ってみてほしい。意外にも、お尻がヒンヤリしていないだろうか?
農耕民族である日本人は前かがみになりやすい骨格をしているため、お尻全体を覆う大臀筋(だいでんきん)が発達しにくい。そのうえ運動不足だったり座り仕事をしていると、さらに筋肉が衰えて熱を生みだせなくなり一層冷えてしまうのだ。
お尻の冷えはあらゆる不調の原因になる。大臀筋は股関節や背骨を正しい位置に固定したり、歩行時に下半身の関節にかかる衝撃から守ってくれる中枢ともいうべき存在。つまり、大臀筋が冷えて柔軟性を失うと腰やひざに負担がかかり、関節痛になりやすい。さらに骨盤や下腹部の血流も悪くなり、更年期障害の悪化や便秘・下痢の原因にも。たかがお尻の冷えとあまく考えず、日ごろから冷やさないように注意したい。
指で押すだけ!
足先までぽかぽかに
では、どうすればお尻は温まるのか。もちろん、ストレッチや筋力トレーニングをするのは効果的だが、もっと手軽な方法がある。
大臀筋はお尻の割れ目の上にある「仙骨」の周りにあるためこの部分を押したり軽く叩いてほぐすだけでいいのだ。ゴルフボールなどを使用すると、指に力を入れなくてもかんたんに刺激できる。日常的にお尻が冷えている人ほど、大臀筋がこり固まっているため痛みを感じるだろう。つづけるうちに腰周りの血流がよくなり、温かくなってくるはずだ。気温が低い日は仙骨のあたりにカイロを貼るのも効果的。
さらにお尻には下半身につながる太い血管や老廃物を排出するリンパ管も通っている。冷えが解消すれば足先も温まり、むくみにくくなるなど、いいことずくめなのだ。
今日からはじめる
お尻を温める方法
仙骨周りをマッサージ
入浴後などからだが温まっているときにおこなうと筋肉がほぐれやすい。うつぶせになり、かかとでトントンとお尻を叩くのもよい
腰を立てて座る
イスに座るときに腰が曲がると仙骨がゆがみ、お尻の血流が悪くなりがち。腰とイスの間にバスタオルなどを入れると自然と正しい姿勢に
大股で歩く
歩くときはやや大股にすると大臀筋がつかわれ、温まりやすくなる。その際に背筋を伸ばすとより筋肉が引き締まる