冷え症を治すならいま!? 東洋医学に学ぶ夏の過ごし方

暑い時季の不摂生が不調の芽となる

「冬病夏治(とうびょうかち)」という言葉をご存じだろうか。これは、冬に表れる冷え症や風邪、喘息、下痢、関節痛などの症状は、夏の陽気で好転するという東洋医学の考え方だ。

陽気とはからだを温めたり精力的に活動するためのエネルギーのこと。本来夏になると陽気が強まり、冷えや余分な水分を追い出し、寒い時季に体調をくずさないように備えるという。

ところが、冷たい食べ物やクーラーで過度にからだを冷やすと陽気を消耗してしまい、体内に湿気が溜まってしまう。それが秋冬の寒さで冷え、冷え症や風邪などの症状を引き起こす。つまり、夏の不摂生が不調の芽となるのだ。

江戸時代の書物で、現代語訳版も多数出版されている健康指南書『養生訓』にも、夏はとくに養生すべき季節であり「涼風に長くあたってはいけない」「冷水を飲んではいけない」などと記されている。「夏の冷え」がからだに負担をかけることは、昔から知られていたのだ。

「冬病夏治」を実践するかんたんな方法とは?

あなたはいま、食欲が落ちていたりだるさを感じてはいないだろうか? それは体内に湿気が溜まっている証拠。中国では夏になると灸をすえたり、漢方を飲んで体調を整えるのが一般的だが、毎日の健康法としてとり入れるのはむずかしいだろう。そこで、もっと手軽に「冬病夏治」を実践できる方法を紹介したい。

たとえば、クーラーのきいた部屋では肌の露出をすくなくし温かい飲み物などで「からだの芯」を冷やさないように心がけよう。そして軽い運動や入浴で汗をかき、体内の水分を停滞させないようにすること。

とくに50歳以降は汗腺の機能が衰えるため、意識して汗をかくことが重要だ。運動や入浴の前にコップ1杯の水を飲んでおくと水分の循環がスムーズになり、汗をかきやすくなる。

夏のうちに冷え対策をしておけば、秋冬も不調知らずで過ごすことができるのだ。さっそく実践してみよう。

夏こそ実践!
体内の湿気を追い出す方法

1日1回、汗をかく

ラジオ体操をしたり、涼しい時間帯に外を歩いてみよう。じんわり汗をかけば陽気を養うことができる

冷たい食べ物よりも夏野菜を

からだの余分な熱をとり除いてくれる夏野菜を食べ、上手にクールダウンしよう。冷蔵保存している場合は常温に戻すとよい

ふくらはぎをマッサージする

ふくらはぎの筋肉が硬いと血液の循環が滞り、水分が停滞。下から上に向かってマッサージし、めぐりをうながそう

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2024/10/06 3:44:30