西洋人との差は約1℃も
冷えは日本人の宿命
よくテレビなどで、真冬でも半袖で東京観光をする西洋人を目にすることがないだろうか。驚くことに彼らは「冷え症」という言葉になじみがなく、一説によると平均体温は37℃、発熱と判断するのは38℃以上だという。いっぽう最近ある企業がおこなった調査では、日本の成人の平均体温は36.1℃だった。同じ人間なのに、なぜこんなにも差があるのだろうか。
それは、からだのつくりに違いがあるから。西洋人は比較的骨格が大きく、熱を生産する筋肉量が豊富。さらに、全身に熱を運ぶ赤血球が日本人よりも多いため、体温を保つ力が高いという。
それとは反対に、わたしたちは熱を生みだす力も保つ力も弱い。くわえて日本は湿度が高く、からだに余分な水分が溜まりやすかったりと、冷える条件ばかりだ。日本人にとって冷えは宿命といっていいだろう。
わたしたちに必要なのは
体温を調節する力
ところが50年前の日本では、現代ほど冷えに悩む人が多くなかった。いまより電化製品が普及していなかった時代、夏は汗をしっかりかき、冬は血管を収縮させてスムーズに体温を調節できていた。そのおかげで、夏と冬の気温差が大きい日本でも37℃近くの健康的な体温を保てていたのだ。
便利な生活があたり前になった現代は、気温差に順応できない人が非常に多い。体温調節がうまくできないと、ただでさえ冷えやすいからだがよけいに冷えてしまう。それを裏づけるかのように、季節のかわりめに体調をくずす人が増え、日本人の平熱は下がるいっぽうだ。
いまわたしたちに必要なのは、眠っている体温調節機能をよび覚ますこと。1日1回は外の空気にふれ、軽くからだを動かしてみるといい。暑い日は汗とともに体内に溜まった熱が排出され、寒い日は芯からぽかぽかと温かくなるのがわかるはず。本来備わっている機能をじゅうぶんにつかい、冷えないからだをつくりたい。
今日からはじめる
体温調節機能を高める方法
1日1回は外気にふれる
暑い、寒いと感じることで、体温調節機能がはたらく。ただし、からだに負担をかけないように気温に合わせた服装で外出を
お風呂上がりの汗を止めない
体内にこもった熱を冷ます重要な汗。扇風機やクーラーで急激に冷やさず、自然に止まるのを待ちたい
寝るときは裸足で
靴下をはいて寝ると足の裏から体温を放出できず、体温調節ができなくなる。どうしても寒い日以外は裸足で寝るとよい