冷えとドロドロ血は
切っても切れない関係!?
テレビや雑誌などで「ドロドロ血対策」といった特集が組まれると、つい見てしまう人が多いのではないだろうか。昨今、中高年の健康管理に欠かせないテーマとなっているが、じつは東洋医学では何千年も前から「瘀血(おけつ)」という概念が存在している。
瘀血とは、血液の粘度が高く流れにくくなっている状態のこと。これが倦怠感や頭痛などさまざまな不調を引き起こし、そして東洋医学において万病のもととされる「冷え」を招いてしまう。
冷えと瘀血は非常にやっかいな関係にある。なぜなら、瘀血が冷えを招くだけでなく、冷えが瘀血を引き起こすこともあるからだ。体温が下がると代謝が低下し、血中のコレステロールや脂肪、糖などが燃焼されずドロドロになりやすい。
つまり、冷えを解消しない限りめぐりは悪化し、ますます体温が下がるという負の連鎖に陥ってしまうのだ。
つまりが起こる前に
体温が上がる好循環を
恐ろしいことに、この連鎖が進むほど血管もつまりがちに。毛細血管がつまればからだのすみずみまで熱を届ける道が遮断され、太い血管がつまれば脳梗塞や心筋梗塞などの重大な疾患につながってしまう。そうなる前に、一刻もはやくからだの冷えをとることが不可欠だ。
ただし、自分は冷え症ではないという人も油断は禁物。この寒い時季はただでさえ代謝が下がり、血液の粘度が増しやすい。からだの末端である耳や手足の指先を刺激して痛みを感じたら、瘀血のサインである可能性が高いので注意が必要だ。
からだを温めるのと同時に、滞りやすいからだの末端をもんだり水分をこまめにとるなど、めぐりをスムーズにさせる工夫をして、この負の連鎖をはやく断ち切りたい。
めぐりのよいからだが体温を上げ、さらに血流がスムーズになるという好循環が生まれれば、冷え知らずで健康なからだが手に入るだろう。
冬に実践したい
めぐりをスムーズにする方法
耳を温める
手足と違い、耳は見落としがちな場所。カイロや耳あてで温めたり、マッサージをすれば全身の血行促進につながる
温かい飲み物をとる
寒いと水分を控えがちになるが、体内が乾燥すると血液の粘度が増してしまうため要注意。温かい飲み物をこまめにとりたい
足踏みをする
ふくらはぎの筋肉がポンプとなり、めぐりがスムーズに。歯みがき中やテレビを見ながらでもかんたんにできる