答えてくれる人
池田接骨院 院長
池田俊幸先生
「おばあちゃんの原宿」巣鴨で20年以上にわたって接骨院を営み、ふしぶしの相談を受けている。著書に『楽しくやせる! 元気になる! 骨盤フィットネス』など
日ごろ接骨院で施術をしている中で、からだの動きに悩みを抱える方には往々にして動作に「悪いクセ」があるということに気がつきました。カバンをいつも同じ肩にかけている、脚を組んで座っている……。
これらはすべてからだの一部分に負担をかけてしまう「悪いクセ」。日常的にくり返すうちにからだのゆがみを引き起こし、痛みやこり、痺れなどをもたらします。ゆがみが悪化すればからだのめぐりが滞り、だるさやむくみ、冷え、不眠といった不調も招きかねません。
このコーナーでご紹介する動き方のコツは、どれもすぐに実践できるものばかり。さっそくとり入れ、ゆがみのないからだを目指していきましょう。
最初のテーマは「起き上がり方」です。朝目が覚めたとき、あお向けの状態から急にガバッと起き上がってはいませんか? これは腰に負担をかけてしまう「悪いクセ」ですから、すぐにでもあらためましょう。
睡眠中、腰はわたしたちの体重の半分近くを支えてくれています。急に起き上がろうものなら、ひと晩中からだを支えつづけ疲れ切ったうえに、まだほぐれていないガチガチの腰を無理やり動かすことになり、大きなダメージを与えてしまいます。
そうならないために大切なのは、起き上がる前にウォーミングアップすることと、一度横を向いてから徐々に起き上がるということです。
実際わたしの接骨院でも、この方法を試してからは急なビリビリに困らなくなったというお声をよく耳にします。このようなささいな動きでも、毎日つづけることで必ず変化は訪れます。
継続は力なり。次回からも正しいからだのつかい方を身につけていきましょう。
1 寝ながら散歩(ウォーミングアップ)
寝たまま、散歩をするイメージで左右の足を交互に押し出す。もぞもぞと骨盤が動いている感覚があればOK。時間の目安は「どんぐりころころ」の一番を歌い切るまで
POINT
ひざ裏に枕やクッションを置くと、より動きやすくなりますよ
2 起き上がりはごろりが決め手
ごろりと横を向き、両手で床を押しながら徐々にからだを起こしていく。そのあと片ひざを立ててゆっくりと立ち上がれば、腰への負担がかかりにくい
POINT
ベッドの場合は、横向きになったあと先に足を下ろし、両手でベッドを押して立ち上がるといいでしょう