九州や中国、四国地方などの温暖な地域で栽培される、マメ科の一年草。成長すると大人の腕ほどにもなる大きな莢(さや)が特徴。
縁起物として珍重され、忠臣蔵で有名な赤穂浪士が吉良邸への討ち入り前夜に、成功を祈りナタマメを食したという逸話も伝えられている。
特有成分のカナバニンには血行促進や排膿作用があるとされ、「膿とり豆」の異名を持つ。その効能から、古くより薬膳の材料として用いられてきた。
明の時代に記された薬学書『本草綱目』には、「腎を益し、元を補う」とあり、免疫力を養う生薬として紹介されている。
マメ科ナタマメ属
生薬名:トウズ(刀豆)
答えてえてくれる人
妙高の野草採り名人
石田さんのひと言
あの刀みたいに大きな莢は、一度見たら忘れられないねえ。あまり知られていないけど、じつは福神漬けの材料にもなっているんだよ。