砂糖のなかったころは、花の蜜を甘味として吸っていたことから「吸い葛」とよばれた。なお、生薬名である忍冬は、冬でも落葉せずに葉が残っている様子にちなむ。
ひとつの枝に白い花と黄色い花が同居するという、一風かわった特徴を持つ。その美しい姿から、欧米では観賞用に栽培される。
焼酎・みりんなどにスイカズラを浸けた忍冬酒は、薬酒とされ、徳川家康が長寿の酒として愛飲していたと伝えられている。
梁代の陶弘景(とうこうけい)の著した『名医別録』では、不老長生薬として収録され、「身腫を主治する。久しく服すれば、身を軽くして(中略)年齢を益す」とある。
スイカズラ科スイカズラ属
生薬名:ニンドウ(忍冬)またはキンギンカ(金銀花)
答えてえてくれる人
妙高の野草採り名人
石田さんのひと言
解熱作用があって、風邪で熱を出したときなんかにいいんだ。昔はよく、花を口にくわえて蜜を吸ったもんだよ。若葉や若芽は和えものにしてもおいしいね。