『野草酵素』の開発者、近藤会長がこだわりぬく原材料。そのひとつがキダチアロエだ。『野草酵素』につかわれるアロエが育つのは駿河湾にほど近い静岡県大井川地区。
近藤会長はなぜ、そのアロエにほれこんだのか。その信念に共鳴したつくり手がつらぬくものとは何か。ふたつの真摯な思いを受け、見事に育ったキダチアロエの畑を訪ねた。
『野草酵素』の発酵に欠かせない
有用菌の特別な多さが決め手
アフリカやアラビアの熱帯地方原産のアロエ。その歴史は古く、エジプトのピラミッドで発見されたミイラの脇で、「アロエに下剤の効能あり」と記されたパピルス(古文書)も見つかっている。そのアロエがシルクロードを経て日本へ伝わったのは鎌倉時代。江戸時代になると「蘆薈(ろかい)」という生薬名でよばれ、緩下作用や抗炎症作用などの効能や用途を紹介した書物も出まわった。こうしてアロエは別名「医者いらず」として広がり、やけどや切り傷に塗ってもらった記憶のある方も多いのでは。
ミヤトウ野草研究所の近藤会長が『野草酵素』66種類の原料のひとつにキダチアロエを選んだのも、「からだのそうじ屋さん」としての効能に確信があったから。そして、「これぞ」と決めたのが静岡県大井川地区で藁科雅彦さん(52歳)が有機無農薬栽培するキダチアロエだ。
アロエには大腸のはたらきを整えるアロインという成分があるが、そもそも国産アロエは外国産よりもこの成分が濃い。また藁科さんが育てたキダチアロエを顕微鏡で調べたところ、ほかのものよりも有用菌の数が多いことがわかった。この菌は『野草酵素』の発酵にとても重要。さらに年間を通した品質の安定性も抜群とあって、近藤会長がほれこんだのである。
藁科さんによれば、大井川地区の温暖な気候はアロエ栽培にぴったりだという。
「95%以上が水分であるアロエは一度凍ると溶けてしまう。だから温暖な土地でしか育ちません。このあたりの平均気温は、成長期のキダチアロエに最適な20℃前後に近く、気温の変化も小さい。しかも平地なので1年中日光をたっぷり浴びられます。冬場に備えてビニールハウスは必要ですが、この土地はほんとうにいいアロエが育つんです」
水も肥料も安心・安全な
ものを適切に与える
そう語りながら藁科さんが案内してくれた温かなビニールハウスの畑。つややかで肉厚な緑の葉を茂らせたキダチアロエが整然と並んでいる。この植えつけの間隔が、まず藁科さん独自の方法だ。
「つめこんで植えれば収穫の効率は上がりますが、人が入りづらくなってしまう。だからうちでは5年後、10年後を考え、間隔を空けて植えます。すると日光もまんべんなくあたって立派になるんです」
植えつけのあとは水と肥料やりがもっとも重要な作業。水はミネラルが豊富で名水として知られる南アルプスの伏流水だ。
「まずは水やりのタイミング。たとえば冬はアロエが凍らないように、寒すぎる日には控えます。また“水太り”は、絶対にさせません。水分が多すぎるとビタミン・ミネラルなどの栄養や有効成分が薄まるので、濃いまま保つために、慎重に適度な水分を与えることが大切です」
さらに化学肥料はつかわず、収穫もすべて人の手でおこなうのも信条だ。そんな確固としたこだわりを持ち、誠実にキダチアロエを育てる藁科さんの思い、それは近藤会長の思いと見事に一致する。
「近藤会長もいい意味で頑固な方だからね。それはわたしも同じ。だからはじめて会ったとき、『野草酵素』をこだわりぬいてつくっている姿に共感したんです」
アロエも微生物も、生き物。
ともに愛情をこめて育てる
次なるビニールハウスはキダチアロエの「一本木」栽培。その名の由来どおり、木立ちのように伸びたアロエが、てっぺんだけに葉を茂らせている。
「一本木栽培は面積あたりの収穫量はすくないですが、葉は大きく育つ。それを下から順に収穫していくので、上だけ葉が残るんです。アロエは家庭でも勝手に育つイメージがあるでしょう。でも『野草酵素』につかうような、ほんとうにいいものをつくるには手をかけないと。そうして育てたキダチアロエはわが子のように大切ですね」
なるほど、心をこめ、手間を惜しむことなくつくる。そのひたむきさは『野草酵素』づくりと同じだ。藁科さんはつづける。
「ミヤトウさんに届けるのは愛情こめて育てた中でも、いちばん元気な状態の葉。それに『発酵のために生のアロエをまるごとつかいたい』という会長の意向を受けて、ミヤトウさんにだけは加工せず生のままで出荷しています。それはより手間もかかるし、神経もつかう。でも、近藤会長や『野草酵素』を楽しみに飲んでいる方々のためなんです」
収穫後のキダチアロエは人の手で厳しく選別され、新鮮なうちに出荷する。その最後の瞬間まで、藁科さんは思いをこめ、手塩にかけた大切な“わが子”を送り出す。