答えてくれる人
ミヤトウ野草研究所
近藤 堯会長
1931-2016。新潟県立高田農学校を卒業と同時に国立大宮家畜研究所に勤務し研究生活をスタート。戦後の食糧難の中、家畜と飼料の研究に従事し酵素の役割に着目。新潟県妙高市を研究の拠点に昭和27年、酵素原液の試作・開発に成功
『野草だより』、いつも楽しみにしています。とくに食材の話は興味深く、7・8月号で特集された枝豆は自分の大好物なので何度も読みかえしました。そこで質問です。近藤会長のお好きな食べ物が知りたいです。
(福岡県・女性・70歳)
わたしの好物は、くだもの。昔はくだものが高価でしたから、口にすると当時の「憧れ」の気持ちを思いだします。
生のくだものは、酵素が豊富なことでも有名ですね。たとえば、メロンやパイナップルを食べたら口の中がピリピリした経験はありませんか? あれは、ククミシンやブロメラインというタンパク質分解酵素が舌の粘膜に作用して起きる現象だといわれています。ほかにも、バナナを置いておくと甘くなるのは、酵素のアミラーゼがでんぷんを分解して糖にかえた結果なのです。
むずかしい話はさておき、くだものがおいしい季節です。食後に食べれば、くだものに含まれる酵素が消化を助け、からだがもともと持っている潜在酵素の節約にもつながりますから、デザートには旬の味を存分に楽しみたいものですね。