答えてくれる人
ミヤトウ野草研究所
近藤 堯会長
1931-2016。新潟県立高田農学校を卒業と同時に国立大宮家畜研究所に勤務し研究生活をスタート。戦後の食糧難の中、家畜と飼料の研究に従事し酵素の役割に着目。新潟県妙高市を研究の拠点に昭和27年、酵素原液の試作・開発に成功
乳酸菌の種類を強調した機能性ヨーグルトが流行しています。ほんとうに、からだによいのでしょうか?
(東京都・女性・39歳)
最近は各社が競いあい、次々と新商品を出していますね。ところが、そういった市販のヨーグルトに含まれる乳酸菌は、純粋培養された、いわばエリート。そんなエリートが、数百兆個の菌がひしめく腸内で生き残れる確率は定かではありません。
そこで、ミヤトウ野草研究所では異なる菌をいっしょに育てる、「共生培養」を採用しています。菌同士が競いあい助けあうことでたくましく育ち、過酷な腸内でも元気にはたらくのです。
かつては、複数の菌を同時に扱うなど言語道断! と言われたものですが、じつは、日本人にはなじみ深い方法です。たとえば、日本酒は酵母菌と麹菌が協力して米を醸す並行複発酵。ぬか漬けも多種類の乳酸菌が共生して複雑な旨味を生みだします。
菌の世界も人間社会と同じく、選ばれたエリートだけでは成り立たないのです。