答えてくれる人
ミヤトウ野草研究所
近藤 堯会長
1931-2016。新潟県立高田農学校を卒業と同時に国立大宮家畜研究所に勤務し研究生活をスタート。戦後の食糧難の中、家畜と飼料の研究に従事し酵素の役割に着目。新潟県妙高市を研究の拠点に昭和27年、酵素原液の試作・開発に成功
妙高市はかんずりや日本酒といった発酵食品の産地として有名ですが、発酵食品づくりに向いた環境でもそろっているのでしょうか?
(長野県・男性・68歳)
妙高市に発酵文化が根づいている理由は、その気候にあります。夏は高温多湿、冬になると低温多湿という1年を通して発酵が進みやすい適度な湿気があること。さらには雪国という環境も発酵食品づくりに適しているのです。
たとえば「かんずり」は雪の上にトウガラシをさらす独特の製法でつくられています。トウガラシの強いアクを雪が吸収して甘みを引き出してくれるので、味はじつにまろやか。わたしの大好きな発酵食品のひとつです。
また、春になると山々から流れはじめる雪解け水は、ろ過された不純物のすくない水質なので日本酒の仕込み水としても利用されています。
妙高は全国でも有数の豪雪地帯。毎冬、大人の背丈以上に積もります。しかし、その雪はおいしい発酵食品をつくるのに欠かせない一面も持っているのです。