ぬか床のかき混ぜをさぼったら・・・

答えてくれる人

ミヤトウ野草研究所

近藤 堯会長

1931-2016。新潟県立高田農学校を卒業と同時に国立大宮家畜研究所に勤務し研究生活をスタート。戦後の食糧難の中、家畜と飼料の研究に従事し酵素の役割に着目。新潟県妙高市を研究の拠点に昭和27年、酵素原液の試作・開発に成功

ぬか床のかき混ぜをさぼったら、表面に白いカビが生えました。シンナーのようなニオイもします。捨てた方がよいですか?

(富山県・女性・45歳)

カビが色つき(黒、赤、青など)だったり腐敗臭がする場合は注意が必要ですが、今回のご相談は産膜酵母だと思われるのでご安心を。膜が少量なら混ぜこんでしまって問題ないでしょう。大量ならスプーンでのぞき、新しいぬかと塩を足してください。

ぬか床は多種類の菌が共生する環境。産膜酵母もそのひとつで空気を好み、かき混ぜを休むとぬか床の表面で増殖します。いっぽう、ぬか床の底では空気を嫌う酪酸菌が増殖。どちらの菌も少量なら絶妙な風味を生みだしますが、増えすぎるとシンナー臭や雑巾臭といわれる悪臭の元になります。

ぬか床を混ぜるのは、これらの菌の過剰な繁殖を防ぎ、適度な量に保つ意味があるのです。手間はかかりますが、こまめにかき混ぜましょう。

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2024/11/07 6:24:04