
和食には欠かせない日本人の心の味、醤油。昨今ではフランス・イタリア料理にも隠し味として重宝されているという。まさに日本が世界に誇る、発酵のちからを活かした万能な調味料だ。
醤油の起源については諸説あるが、紀州由良(現在の和歌山県日高郡)を発祥とする説が有力だ。13世紀なかごろ、紀州由良興国寺の禅僧、新地覚心が中国浙江省に渡り、径山寺味噌の製法を持ち帰った。この径山寺味噌製造の際に生じる上澄み液を発展させたものが、醤油と言われている。醸造が育む独特の香り、味、おいしさが評判を呼び、またたく間に日本全国へ広まったという。
古くはすべてひとの手でおこなわれていた醤油づくりも、時代とともに変化を遂げた。大量生産・大量消費の時代にあわせ、現在では発酵・熟成の手間をかけずに添加物で味つけされたものが主流となった。
しかし、醤油発祥の地では違う。伝統の味と製法を次世代へ残そうと、とり組む方がいるという。手間ひまを惜しむことなく、伝え残したいものとはいったいなにか? 醤油のふるさと、紀州・和歌山県を訪ねた。
湯浅醤油(有) 新古 敏朗氏(43歳)
「わたしにとって、醤油づくりは家業のみにあらず。この地に残していかねばならない大切な文化です。だからこそ、その気持ちを子どもたちに伝えていきたい」
さまざまな種類のオリジナル醤油を揃える湯浅醤油。もちろん、すべて厳選され選びぬかれた純国産原料だけを使用。ここでは、工場見学用に産地を紹介している
桶には食塩水と麹を入れて仕込む。夏は1週間に2回、冬は1週間に1回櫂(かい)を入れ(攪拌)、1年半熟成させる
熟成したもろみをしぼる、圧搾という工程。しぼられた醤油のもとを「生揚(きあ)げ」と呼ぶ
何層にも積み重なる布袋から、ジュルジュルと抽出される醤油のもと。この後、火入れ・濾過工程を経て、醤油となる
濾過されたばかりの醤油。大豆と小麦と塩からなる伝統の濃口醤油だ。小麦の微生物のデンプンによって、発酵が盛んになり、香りの高い醤油ができる。立ちこめる湯気、芳ばしい香りが、あたりいち面に漂う
和歌山県湯浅町。ここに明治14年からつづく径山寺味噌屋から独立した、若い醤油蔵がある。それが、湯浅醤油(有)。代表を務める、新古敏朗氏(43歳)こそ、伝統の醤油づくりを残そうととり組むそのひとである。
「うちはもともと径山寺味噌屋時代から、醤油づくりも営んでいました。しかし、それが本業となったのは、わたしが先代から醤油蔵を受け継いだ平成14年。創業して日は浅いですが、昔ながらの製法で、伝統の味を守っています」
代々伝わる醤油蔵には、発酵・熟成を繰り返すことで育まれた、蔵つき酵母が棲みついている。これが醤油独特のうま味を醸しだす。
「原料となる大豆、小麦、塩は、純国産だけ。もちろん、化学調味料や着色料、防腐剤など添加物はいっさいつかいません。ひとの口に入るものを、安価な外国産に頼るわけにはいかない。コストや手間ひまはかかりますが、このやり方でなければ、この味や香りは生まれないんです」
原料や製法によって、味・風味が大きく変化してしまう、発酵の世界。そこには長年の経験と勘が求められるのだという。
「うちには先代のころからともに歩んできた、その道50年の蔵人(くらびと)*さんもいる。彼らの研ぎ澄まされた感覚こそ、うちの宝。次の世代へしっかり継承しなければなりません。大量生産があたり前の時代ですが、本物を求める消費者は必ずいます。この手間ひまを味わってもらえる、そんな醤油を残していきたいんです」
*蔵人 醤油をつくる職人のこと
醤油づくり体験は、原料となる大豆を育てるところからはじまる。新古さんだけでなく、農業指導士とともにおこなう
麹菌のついた大豆をていねいにペットボトルにつめていく。小さいながら、立派な職人の眼差し。醤油づくり体験の魅力は、子どもたちの成長する姿にもある
子どもたちのマイ醤油。透明だから、ペットボトルのなかで起こる発酵・熟成工程や微生物のちからを目で見て確認できる
「いまこのペットボトルのなかで、なにが起こっているのか。今日はそれをみんなで勉強していきましょう」と新古氏。子どもたちも興味津々
興味ぶかく顕微鏡を覗きこむ子どもたち。自分の育てた麹菌の姿を見つけ、楽しみながら学んでいく
醤油づくり体験のなかでは、工場見学もある。湯浅醤油の蔵で、本物の櫂入れを体験することで、より伝統を身近に感じるのだという
さらに新古氏のとり組みは、本業だけにとどまらない。食育の一環として湯浅町の小学生を対象に、醤油づくりを教えているのだ。
「10年ほど前からはじめた、醤油づくり体験授業。醸造過程や微生物のちからをより身近に感じてもらうため、ペットボトルをつかって醤油のつくり方を教えています」
世界にひとつだけのマイ醤油をつくれることもあり、子どもたちは楽しみながら、伝統の味を学ぶのだという。
「醤油づくりは、2年間かけてじっくり学んでもらいます。原料の大豆を育てるところからはじまり、収穫した大豆に麹菌をつけ、発酵・熟成、撹拌、しぼり、といったすべての工程を、子どもたちに実際に体験してもらうのです」
しっかり面倒をみてあげないと、発酵がすすみ、ペットボトルが破裂することも。しかしこれも勉強のひとつ。微生物のちからを身をもって理解できる、貴重な体験なのだという。
「はじめはたかが調味料。でもそれが口に入るまで、途方もない苦労があることを子どもたちに知って欲しいんです」
本業の醤油づくりの合間、貴重な時間をつかっての授業。食育の一環とはいえ、なぜここまでできるのだろうか。
ペットボトルのなかに映る、未来の風景。失われかけた伝統文化も、体験することで自然と胸に刻まれていく。大人になっても忘れることはない
「いまでこそ、醤油づくりを生業にしていますが、子どものころは、醤油が和歌山県の伝統産業だなんて知りませんでした。しかし大人になるにつれて、地元の醤油のおいしさ、伝統の大切さを理解し、このままではいけないと思ったんです」
自分のような子どもが増えれば、伝統の味は衰退していくばかりだと危ぐしたという新古氏。
「歴史を重んじ、伝統を守ることも大切です。しかし、未来に繋げようと活動しなければ、残せるものも消えていってしまう。その役割を担えるのは、醤油蔵を持つわたしたちしかいません。だからこそ、伝統製法に新しい発想を加えて、子どもたちに伝えていきたいのです」
今回、新古氏にお話をうかがい、伝統の味を次世代へ伝える苦労、大切さをあらためて感じた。そしてやはり、本物の味は大量生産には真似ができないということ。からだが安心する、日本人の心の味は、昔ながらの手間ひまかけた発酵・熟成なくしては生まれないのだ。
豊富な雪どけ水も、妙高山からのおくりもの。変化に富む自然環境が、元気で多彩な有用菌を育む
今冬、例年以上の大雪に見舞われた妙高高原。除雪され、堆くつみ上げられた雪の壁は、ふもとの街で3メートルを超えました。ただ地球温暖化の影響か、近年の降雪はすくない。もちろん、ここは日本でも有数の豪雪地帯で、毎冬雪かきは必須ですが、気候の変化を感じています。
しかし、それ以外は昔と変わらない。妙高高原の美しい自然、清らかな水の流れは、わたしが子どものころ走りまわった風景そのまま。貴重な自然遺産の数々は郷土の誇りです。
さらには、日々微生物とむきあう酵素研究者の立場から見ても、妙高高原はすばらしい。これは、決して地元出身者のえこひいき、ではありません(笑)。
有用菌の棲みかは大地。わたしは全国をまわり、土壌を調べまわりました。地域によって有用菌の種類や数は異なる。たとえば、日本酒や味噌、醤油など、同じ原料でつくられても、地域によって味が変化するでしょう? これは発酵にかかわる有用菌の種類や数の違いが大きく影響しているためです。
そして、妙高高原の土壌に棲むこれら有用菌の種類の多彩さ・ちから強さは、他の土地を圧倒していたことがわかりました。
米、水、有用菌。新潟県に酒蔵が多く、おいしい日本酒ができるのも頷けます。もちろん、野草や野菜、くだものなど66種類の原料を1年2ヵ月発酵・熟成させて生まれる『野草酵素』づくりにも最適なのは言うまでもありません。
もし、妙高高原以外の地域でつくったら、別物の『野草酵素』ができてしまう。有用菌は生き物。研究所に棲みつづける彼らのご機嫌をうかがいつつの発酵・熟成作業は、繊細さが求められます。
かつて、生産量を増やすため、研究所を拡張したことがありました。そのときは有用菌が発酵室に定着するまでの数年間、室内の出入りはベテランスタッフのみ数名と厳しく制限したほどです。
代々伝えられてきた伝統的な酒蔵や醤油蔵では、昔から定着しつづける酵母菌や麹菌などの「蔵つき酵母」を大切に守っています。蔵、桶、道具……古くとも変えることなく、棲みつく有用菌のバランスをくずさぬよう努力している。『野草酵素』づくりには、この理念が大いに活かされているのです。
子どものころ、おなかが痛くなると母親が反時計まわりにさすってくれて、楽になったという経験はないでしょうか? これは時計まわりに動くおなかに反時計まわりの刺激を与え、活発になりすぎた動きをおさえるとともに、母親にやさしくされたという安心感で痛みが和らぐから、といわれています。
「おなかは心の窓」ともいわれ、精神的な影響を非常に受けやすいところです。
近年、おなかに異常がないのにドッサリ出なくなったり、ゆるくなったりを繰りかえすひとが増えていますが、その原因のほとんどはストレスです。真面目で繊細なひとほど、日々の生活のなかで緊張や不安によるストレスを感じ、おなかの調子をくずすことが多いようですが、それはいったいなぜでしょうか?
じつはわたしたちのおなかは自律神経によってコントロールされ、自分の意思とは関係なく、24時間休みなしで動きつづけています。この自律神経は脳からの指令をうけてはたらきますが、強いストレスを感じると脳はそちらの対応に追われてしまい、自律神経に適切な指令が送れなくなって、おなかはパニックになるのです。
このような「脳腸相関」(のうちょうそうかん)が最近の研究学会で盛んに叫ばれていることからもわかるとおり、おなかと心は密接につながっていて、どちらかが調子をくずすともう片方も不調になる運命共同体です。便が溜まるとストレスも溜まる、ストレスが溜まると便も溜まるという悪循環は心身ともにわたしたちにダメージを与える、非常に厄介なものなのです。
そんな悪循環を断ちきるには、しっかりと食物繊維をとり、快調な毎日を送ることが大切。おなかのリズムを整えれば、自然と心もおだやかになってきます。それでも溜まりがちなストレスは、趣味やスポーツでしっかりと発散することを忘れずに。
おなかが笑えば、心も笑いますよ!
突然だがみなさんは最近、「空腹」を感じているだろうか?
ほんの数十年前まで“飢え”と隣りあわせだったわたしたち。そのため、人間は少なくとも5~6日は食べなくても大丈夫なようにできている(ギネスブックによると断食の最長記録はなんと382日)。
ところが現代日本のような「モノが余る」というのは、何万年もつづく人類の歴史上はじめての経験。足し算ばかりで引き算が追いつかず、つぎつぎと問題が起きているのだ。
米ウィスコンシン大学の実験では、サルを「好きなだけエサを食べても良いグループ(A)」と、「エサの量を3割減らしたグループ(B)」にわけて20年間育てたところ、(A)のサルが老けこみ、大半が生活習慣病になったのに対し、(B)は若々しい顔つきで毛もフサフサだったとか。
老化は腸からはじまるが、空腹を感じると腸内の細胞が活性化するので、(B)のサルは若く健康な状態を保てたと考えられる。
若さを保つためには、いろんなものを過剰に足し算するのではなく、「空腹」で引き算することをはじめたい。
空腹で引き算すると……
『野草酵素 顆粒』を夫婦で飲みはじめて、もう2年になりますが、たまに顆粒スティックの中身がすこし固まっていることがあります。そのまま飲んでも問題ないのでしょうか?
(京都府 50代 女性)
季節の変わり目など、湿気や気圧の変化によってスティックの中身が固まることがあります。これは『野草酵素 顆粒』が完全無添加だからこそ、起きる現象です。
通常、顆粒状のものを製造するときには賦形剤を加えます。賦形剤とは原料を錠剤や粒にする際により加工しやすく、よりカタチを保つために混入される添加物。本来は必要ないモノですが、その便利さから多くの商品に含まれています。
『野草酵素 顆粒』にも賦形剤を足せば、サラサラの状態を保つことができます。しかし、あれだけ手間ひまをかけた完全無添加の『野草酵素』の液体に、添加物を足すことはできません。
中身が固まったものは指で押せばすぐにほぐれますし、気になる方は冷蔵庫で保管いただければ大丈夫です。もちろん、味や品質にはなにも問題ございませんのでご安心ください。
(回答者:高松さん)
『北の大地の青汁』はもう3600万杯も売れていると聞きましたが、そんなにたくさん飲まれていて、クマザサ資源は大丈夫なのかと心配しています。全部刈りきってしまうということはないのでしょうか?
(長野県 60代 男性)
30秒に1箱も売れている『北の大地の青汁』ですから、クマザサがなくなってしまうのでは? と不安になりますよね。ですがご安心ください。
北海道大雪山系は約23万ha(東京ドーム4万9000個分)と非常に広大です。クマザサの刈りとりは5月末ごろの雪どけとともにはじまりますが、長い冬の終わりをミネラルをたくわえながら雪の下でじっと待っていたクマザサの生命力は、「すごい」のひと言に尽きます。
生長スピードもはやく、毎年あたらしい若芽たちが我さきにと育ってくるので、大雪山のクマザサがなくなる心配はございません。どうぞ安心して、これからもゴクゴク飲んでください。
(回答者:荒木先生)