
近年、笑いがもたらす健康効果に注目が集まっている。ストレスの発散だけでなく、さまざまな病気の予防になるなどいいことずくめなのだ。
しかしいま、新型コロナウイルス感染症の影響でわたしたちは笑う機会を失っている。これは非常にもったいない。笑うだけで福がやってくるならば、実践しない手はない。
笑いヨガとは立位、座位を問わずに誰でもできる健康法。「笑う」動作を通じてどんな気分でも確実に笑うことで、健康を実感することができる。1995年にインドの医師がはじめ、現在世界100ヵ国以上に広まっている(写真提供:日本笑いヨガ協会)
医学博士
大平哲也先生
福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授、日本笑い学会理事。研究分野は循環器疾患の疫学、予防医学、健康科学、心身医学。研究経歴に、「笑い等のポジティブな心理的介入による生活習慣病予防についての研究」などがある
大平先生が主催する健康教室や講演の中で実践している笑いヨガの様子(2015年)
出典:名古屋大学Press Release No: 226-20-17より作成
※性別、年齢、既往歴(高血圧、糖尿病)、喫煙、飲酒、家族構成、社会参加、抑うつ傾向、認知機能、身体機能、教育歴、等価所得の影響を調整している
「人は歳をとるとともに笑いが減り、笑わない人には認知機能の低下傾向が見られます。つまり、笑わない人から将来認知症を発症するといっても過言ではないのです」
そう話すのは、福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授の大平哲也先生だ。
笑いは発言や行動を一瞬で理解する、高度な脳機能をともなう行為。よって、日常的に笑うことは脳の活性化にもつながってくる。
「認知症の危険因子となる動脈硬化を進行させないよう糖尿病や高血圧などの生活習慣病を防ぐことも重要です。じつは食後の血糖値の上昇をゆるやかにしたり血圧を下げたりするのに笑いが有効であることから、認知症を予防すると考えています」
大平先生はこの笑いの効能に注目し、定期的に開催する健康教室で「笑いヨガ」をとり入れているという。
「おもしろくなくても笑うと不安や不眠、うつといった症状が改善されることが確認されています。いろいろなことを試していき着いたのが、インド発祥の笑いヨガ。呼吸法と連動した笑う体操です」
からだを動かしながら思いっきり笑う。周囲の参加者の笑いが伝染し、その場にいる全員の顔がほころぶ
笑いヨガティーチャーであり認定心理士でもある小林さん。この地域の施設や病院などでも活動している
全国に500以上もの笑いヨガクラブがある。あなたも近くで探してみては?
「最近どこにいった?」「ドライブで温泉!」会話をしながら楽しく歩きまわってストレス発散
そこで、笑いヨガを実践する「ラフタークラブなごみ」を訪ねて、静岡県富士市へ。集合時間前から50~80代の男女11人が公園の広場に次々と集まり、「おはようございます」「久しぶり!」と元気なあいさつが飛び交った。クラブを主宰する小林和恵さんは2年半前にテレビで笑いヨガを知り、インストラクターの資格を取得した。
「両親の自宅介護を経験したとき、先が見えなくて心底つらかったんです。周りにも同じ思いの人が多くて、介護をする人にもされる人にも笑いが必要だと思いました」
介護施設等で活動をおこなっていたが、コロナ禍になって中止に。オンラインで実施したものの、参加者同士が直接会って笑うことが大事だと思い、昨年7月からは屋外での開催にこぎつけたという。
みんなで大きな輪になり、リズムよく手拍子しながらスタート。思い思いに歩きまわりながら、「ホッ、ホッ。ハハハ。ホッ、ホッ。ハハハ。イエーイ!」と声を出す。小林さんによると、横隔膜を広げ酸素をより多くとりこむ掛け声だそう。手拍子や両手を上げるかんたんな動きから徐々に激しくなり、子どものようにはしゃいで動きまわったりしていくうちに全員が自然と笑いの渦に包まれた。
取材日は雲に隠れてしまった富士山。晴れたら公園からも壮大な姿が見えるそう
おそろいのTシャツをつくる熱の入りよう。左の杉山さんは元教師できっちりした性格だったのが気楽になり、からだも軽くなったと話す
伊東さんは家族や職場とは別のつながりができ、笑いも増えたとよろこぶ
コロナ禍で必需品のマスクだが会話も減り表情も乏しくなりがち。できるだけ笑顔を心がけよう
すっかり表情が明るくなった参加者たち。はじめて1年という杉山恵美子さんは、83歳には見えない若々しい雰囲気だ。
「最初は恥ずかしかったけど周りを気にせず笑えるようになり、いまではとっても楽しいですよ。そうしたら、からだの緊張がとけてひざの調子までよくなって驚きました」
夫婦ふたり暮らしだった伊東雅恵さん(63歳)は2年前にご主人を亡くし、心がすさんでしまった。そこで、笑いヨガに参加し、落ちこんだ生活をかえることができたという。
「当時は悲しくてふさぎこんでばかりいたんです。でもこのままじゃいけないと思って、意識して落語やテレビのお笑い番組を見るようにしました。誰もいないから思いっきり笑うようになって気持ちがスッキリ。将来自分に介護が必要になって、子どもたちに迷惑をかけたくないですからね!」
イキイキと語るその姿は健康そのもの。その場にいるだけで取材班も思わず笑顔になった。
笑いヨガや落語、お笑い鑑賞のほか、「笑うこと自体に意味があるため、犬を飼う、子どもとふれあうなど自然と笑顔になれる行動も効果的」と大平先生は言う。
笑うことは、誰でも手っとりばやくとり組める健康法。自分に合った笑いをたくさん見つけて、2021年は大いに笑って健康な年にしたいものだ。
落語は話を聞いてその情景を頭の中で描きながら理解して笑うため、認知機能を維持するよいトレーニングになる。テレビで見てもよいが、できることなら寄席に足を運んで噺家(はなしか)の熱や会場の雰囲気に直接ふれる方が、笑いに結びつきやすい。
笑いの効果に造詣が深く、「笑いと健康の講演会」を開いている三遊亭楽春さんのような噺家もいる。
寄席に興味がある方はお近くのイベント情報をチェックしてみては。
写真提供:三遊亭楽春
三遊亭楽春公式HP https://rakuharu.net/
5歳になる娘がいますが、食事中すぐに席を立ってしまいなかなか朝ごはんを食べてくれません。『朝飲む酵素』を子どもにあげても大丈夫でしょうか?
(大分県 女性 40代)
(回答者:ミヤトウ野草研究所リーダー 伊井さん)
調子がよくなったので『ふし自慢 塗るタイプ』の定期注文を止めていました。ところが塗りつづけていなかったせいか最近になってまた違和感が……。
(秋田県 男性 50代)
(回答者:池田接骨院院長 池田先生)
日本酒やワインは一般的に甘口の方が血糖値を上げてしまうので辛口がおすすめ
出典:上村泰子・吉岡悠里可監修『すぐに使える! 糖質量&カロリー事典』新星出版社(2016)より作成
新年をむかえ、お酒を飲む機会が増えていませんか? ふだんは健康のためにと控えている方もいらっしゃるでしょう。いやいや、晩酌だけはゆずれないという方もいるかもしれませんね(笑)。今回は「腸」の視点でお酒の話をしようと思います。
お酒の最大のメリットは、ストレスを緩和できること。現代人はさまざまなストレスに直面します。それを抱えこむと自律神経が乱れ、不安やイライラが募って不眠症・うつ病にもつながり、腸も汚れるいっぽう。
ですから、適量であれば緊張がほぐれてストレス解消になり、血流もよくなって疲労回復や動脈硬化を予防するなどのメリットがあります。好きな映画や本を読みながら、気の合う仲間と語らいながらのお酒はじつにおいしいです。
ではそのとき、からだの中はどうか。好きに飲み食いしていると肝臓ではアルコールの分解が優先され、ブドウ糖の代謝が後まわしになります。すると糖は中性脂肪となって体内に蓄積。肝機能を低下させ、血糖値が高くなり糖尿病などを招く原因となるのです。
つまり、糖質の高いお酒やおつまみはできるだけ避けた方がよいということになります。
先生の最近のお気に入りは、焼酎のお湯割りとお刺身をサラダに乗せたカルパッチョだそう。まずはおつまみをかえるだけでも腸はご機嫌になります。お試しください!
ショウガ科ウコン属
生薬名:ウコン(鬱金)
花期は7~10月で、花芽を包む葉の間から淡黄色の花をつける
葉は先がとがった長楕円形
熱帯アジア原産の多年草で、温暖な地域で栽培される。黄褐色でショウガの形に似た根茎を持つ。
別名をターメリック、秋ウコンともいう。カレー粉の黄色のもととなり、たくあんの色づけにもつかわれる。
江戸時代には染料として普及した。殺菌・防虫効果に優れていることからウコンで染めた木綿は肌着や手ぬぐいに仕立てられた。
食べ過ぎ、飲み過ぎなどに根茎を煎じて用いる。7世紀中国の薬学書『新修本草』に「能く酒気を高く遠き部分まで達せしめる作用あり」とある。
有名になったのは最近だけれど、とてもからだにいいんだ。カレーライスにも欠かせないよね。