野草だより
128号
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その油、大丈夫?
──老化をストップ!油の新常識、教えます──

守口徹先生
麻布大学生命・環境科学部教授、日本脂質栄養学会副理事長。油と健康の関連性、とくにオメガ3系脂肪酸の有用性について研究や講演をつづけている。著書に『カラダが変わる! 油のルール』『スプーン一杯で認知症を防ぐ! えごま油健康法』など

近年、油の健康効果に注目が集まっています。「油をかえるだけで認知症や動脈硬化、あらゆる病気を予防できる」。そう話すのは油研究の第一人者・守口徹先生。そもそも油はわたしたちのからだに必要な栄養分。よい油と悪い油とはなにか、今日から役立つ油のとり方とは。くわしくご紹介します。


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その油、大丈夫?
──老化をストップ!油の新常識、教えます──(2)

「油」と「脂」の違い、わかりますか?

ご飯やパン、肉・魚、豆腐や野菜……。調理油に限らず、じつはあらゆる食材に油が含まれています。

「あぶら」は大きく分けてふたつ。常温で液体なら「油」、固体なら「脂」。肉料理が冷めると白い固体が見られるように、おもに動物性のものが「脂」です。いっぽう「油」は植物由来のものが多いですが、魚も含みます。しかし近年、油脂はオメガ3、6、9と飽和脂肪酸に分類されるようになりました。

下の表をご覧ください。かんたんに言えば、現代人はオメガ6が過剰でオメガ3が不足しています。そのせいで腸が汚れ、血管がボロボロになりさまざまな不調や病気を招いているのです。でも大丈夫。オメガ3兄弟の特徴を知るだけで、よい油と悪い油がわかるようになりますよ。



認知症を予防!?
話題のエゴマ油・亜麻仁油とは

エゴマ(シソ科)。「食べると十年長生きできる」と伝えられてきた地域も



亜麻(アマ科)。古代より薬効が知られ、「魔法の薬」の異名をとる

脳の老化を予防する、病気や不調を抑えるなどすばらしい健康効果で話題のエゴマ油や亜麻仁(あまに)油。エゴマと聞くとゴマを想像してしまいますが、じつはシソ科の植物。これらはオメガ3、つまり、わたしたちが積極的にとるべき油です。

また、1日スプーン1杯だけ、その手軽さも人気の秘密でしょう。守口先生のおすすめは「納豆やサラダにかけたり、ヨーグルトに混ぜたり。熱に弱いので加熱はNGですが、食べるときに味噌汁に入れるとサラッとおいしく飲めますよ」



そもそも、なぜ「サラダ油」というの?

なじみのあるサラダ油ですが、世界中どこを探しても日本にしかありません。1924年に国内のメーカーがはじめて販売したことが起源で、当時欧米ではオイルに塩コショウをくわえたドレッシングが主流でした。そこで日本では精製度を高め透明で冷やしても白濁しない食用油を「サラダ油」と名づけて売り出したのです。

ちなみにせんべいやスナック菓子の「サラダ味」はサラダ油のこと。まだサラダ油が高級品だったころ、商品イメージ向上のためにうたわれたのだそう。


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惣菜、コンビニ、外食……
腸を汚す悪い油のオンパレード!

おいしそうな惣菜がずらりと並ぶのを見ると、ついつい手が伸びて……。気持ちはわかるが、それは腸が嫌がる食べ物だ

現代はとても便利な世の中。スーパーやコンビニにいけばお弁当や惣菜がかんたんに手に入ります。では、家でつくるのが手間な天ぷら、どんな油で揚げているかご存じですか?

ずばり、オメガ6の「悪い油」です。店頭ではくり返し加熱され、酸化して黒ずんだサラダ油で毎日大量の惣菜をつくっています。それを食べれば腸はドロドロに汚れ、体重も増えて肌も髪もパサパサ、恐ろしい病気まで待ち構えているのです。

家庭でも「まだもったいない」と再利用する人が多いのですが、酸化が進んだ油は老化をエスカレート。揚げ物はすぐに食べ、油は頻繁にかえましょう。



コレステロールは悪者じゃなかった!

健康診断のコレステロール値で悩んでいる人に、ちょっとうれしいお話を。近年までコレステロールは動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるとされてきました。

しかし2010年、日本脂質栄養学会は「血中コレステロール値が高いほど健康で長生きできる」と発表。調査によるとコレステロール値が160~200の人とくらべ、160未満の人の死亡率は男性が1.6倍、女性が1.4倍高い結果に! さらに、「数値が低いとがんの発生リスクを上げる可能性がある」とのこと。

では、動脈硬化のほんとうの原因は? それは、オメガ6の過剰摂取が引き起こす血管の炎症だったのです。



サラダ油はいますぐやめて!

「ヘルシー」「コレステロールゼロ」など一見よさそうな宣伝文句はオメガ6に多い

サラダ油やキャノーラ油、ゴマ油……これらはすべてオメガ6です。「食品からとりきれるため調理にもつかうと過剰摂取に。肌や髪、血管の老化にはじまり腸の炎症、動脈硬化、認知症やがんなどさまざまな不調や病気を招く」と守口先生も警鐘を鳴らします。また、安い油は遺伝子組みかえ種の原料を使用していることもあるのです。

そこで今日からつかいたいのがオメガ9のオリーブオイル。便秘解消の効果もあり、酸化しにくいため炒め物などの加熱調理に向いています。なかでも選ぶのはエクストラバージンオリーブオイル。光に強い遮光ビンに入っているものがベストですね。


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とってはいけないトランス脂肪酸
心疾患や糖尿病のリスクも

身近にこんな危険が潜んでいるとは。自分や家族のからだを守れるのはあなたしかいない

出典:食品安全委員会「国内に流通している食品のトランス脂肪酸含有量」(2012年)

「マーガリンは植物性だからからだによい」。かつて、そんな誤解からバターのかわりに安価なマーガリンが普及しました。しかしこれは大きな間違い。

マーガリンはオメガ6の安い植物油に水素を添加して固形化したもの。その過程で、「トランス脂肪酸」という危険物質を発生。イラストをはじめ、パンや惣菜、アイスクリームなど多くの食品に含まれます。

アメリカでは2015年6月、トランス脂肪酸は心臓に蓄積され、心疾患や糖尿病などのリスクを高めるとして使用の禁止を発表しました。

しかし「日本には厳しい規定がありません。マーガリンではなくバターを、原材料に『植物油脂』とあれば控えるなどの対策が必要です」(守口先生)。



とるべき油はオメガ3!
週3回は魚を食べよう

EPAはブリ・サバ・アジなどの青魚に、DHAはマグロ・ブリ・サンマに多い

魚の油はスゴイのです。オメガ3のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が脳細胞の活性化や認知症・うつ病の予防、記憶力向上、動脈硬化の予防などうれしい効果をもたらしてくれます。

1日1食はむずかしいかもしれませんが、まずは週3回を目指しましょう。たとえばアジの開き、マグロの刺身、ブリ大根でもう1週間の献立ができあがり。魚の消費量が多い国ほどうつ病の発症率が低いというデータもあります。旬の魚ならなおよいですね。



サラダにぴったりのドレッシングは?

油をかえれば、からだはピカピカに若返る。さっそく今日から実践しよう!

おいしく野菜を食べたい! 油が主体のドレッシングでは、なにを選べばよいのでしょうか。

いちばんはエゴマ油に塩コショウや醤油をくわえたもの。手づくりならよい油をおいしくとれます。市販のものなら、オリーブオイルがベースのイタリアンドレッシング、油がすくなく酸味が強い青ジソドレッシングがおすすめ。ただし「ノンオイル」はコクを出すために糖分を多く含むので避けて。食物繊維は脂肪の吸収を抑えてくれる強い味方です。おいしく賢く食べましょう。


教えて!荒木先生
ドッサリ生活の伝道師・荒木先生がおなかのこと、ドッサリのことをやさしく解説。

冬の間、クマザサはどうしていたの?

「雪の下で枯れずに春を待っているのよ」


さとみちゃん ぽかぽかして春めいてきましたね。

荒木先生 草花も咲きはじめたし、なんだかウキウキしちゃうわね。

さとみちゃん でもこの冬は東京でも大雪が降ったし、北海道はもっとすごかったんだろうな。クマザサの産地にはどれくらいの雪が積もるんですか?

荒木先生 多いときは2mくらい。真冬は-20℃にもなるそうよ。

さとみちゃん うう、考えただけでも寒いっ。さすが「大雪山系」ですね。でもそんなに厳しい環境で、クマザサは大丈夫なのかな。刈り子さんたちは冬でも枯れないって言っていたけど……。

荒木先生 さとみちゃん、根っこを見たことはある? クマザサの根の長さは7~10㎞。その根っこをあちこちに張りめぐらせて、ミネラル豊富な水や肥沃な土壌の栄養をたっぷり吸収するから、生命力がとても強いの。だから重たい雪の下でも、枯れずに春をむかえることができるのよ。

さとみちゃん すごいなぁ。冬の間はじっと耐えて、栄養を蓄えているんですね。でも全国にクマザサ青汁のファンがいるけど、原料が足りなくなったりしないのかな。

荒木先生 心配ないわ。大雪山系の面積は約23万ヘクタール。神奈川県とほぼ同じ大きさなのよ。

さとみちゃん えーっ! そんなに広いんですか!?

荒木先生 だからとりつくすことはないし、クマザサは成長がとってもはやいから大丈夫よ。

さとみちゃん 安心しました! 春が待ち遠しいだろうな。

荒木先生 そうね。雪解けは6月くらい。そろそろクマが冬眠から覚めたころかしら。野生のクマは冬眠の前後にクマザサをたくさん食べておなかのそうじをするの。とくに冬眠明けはひと冬分の汚れを溜めこんでいるからね。

さとみちゃん なるほど、だからクマザサ青汁はわたしたちのおなかそうじにもピッタリなんですね!

荒木先生 そのとおり! ところで最近おなかの調子はどう?

さとみちゃん バッチリです。そういえば、トイレ後のニオイも気にならなくなってきたんですよ。

荒木先生 すごいじゃない。おなかがピカピカになってきた証拠ね。

さとみちゃん ガンコなおなかでいろいろ試してきたけど、クマザサ青汁はおいしく飲むだけだから楽ちんです♪ さて、わたしもクマさんみたいにおなかをそうじしようっと。




医者にかかる前に腸に聞け! 第20回

「腸もれ」を防ぎたいなら毎朝のパンをやめなさい

あなたの体内にも
有害物質がもれ出している!?

グルテンをとると腸粘膜が炎症を起こす。すると細胞の連結がゆるみ、すき間ができて穴があいた状態になってしまう



2014年、とても衝撃的な研究報告がなされました。「人の血液中から生きた腸内細菌が見つかった」というのです。本来、腸内細菌は小腸から大腸、そして肛門を通って体外へ排出されるので、血液中にあるはずがありません。いったいなにが起こっているのでしょうか。

じつは近年、腸に細かな穴があく「腸もれ」を発症する人が急増。この研究をおこなった順天堂大学によると、健康な人でも25人に1人、生活習慣病を持つ人は4人に1人の割合だといいます。検査の精度が上がれば、もっと多くの人に腸もれが見つかることでしょう。

腸は老廃物や病原菌などを体内にとりこまないようにする、いわばからだの「門番」。ということは、穴があけばこれらの有害物質がからだの中にもれ出してしまうということです。

腸壁から毛細血管へ侵入した有害物質は全身をめぐり、体内のあちこちに炎症を起こします。すると倦怠感や口内炎、鼻炎などの不調が生じたり、血管をボロボロにして動脈硬化や心筋梗塞の引き金に。さらに、脳細胞を委縮させて認知症をも招いてしまう。恐ろしいことです。

そもそも、どうして腸に穴があくのでしょうか?



世界的なアスリートも
実践するグルテンフリー

あなたは朝食になにを食べていますか? 「パン派」だという方、その習慣こそが腸もれの最大の原因。パン、うどん、パスタ……これらの小麦製品に含まれる「グルテン」という成分が腸粘膜の炎症を起こし、穴をあけるのです。

昔から食されてきた小麦にそんな危険があるなんて信じがたいかもしれません。しかし、現在広く出まわっている小麦は、ふわふわとやわらかいパンが焼けるように品種改良され、グルテン量はひと昔前のものとくらべてなんと40倍も!

そこでいま注目されているのが、小麦製品をいっさいとらない「グルテンフリー」。世界的なテニスプレーヤー・ジョコビッチ選手も実践し、疲労感や鼻づまりなどの不調が改善して試合の成績も上がったそう。

「大好きなパンがダメだなんて」と落胆している方、ご安心ください。まずは、食べる頻度を週2回に減らすだけでも腸のダメージをかなり抑えられます。グルテンフリーの商品を利用するのも手ですね。

また、パンならライ麦や全粒粉のもの、麺類ならうどんよりそばを選びましょう。食物繊維が腸内細菌を活発にし、腸粘膜にバリアをつくってグルテンの害から守ってくれます。

だまされたと思って1週間試してみてください。答えはからだが教えてくれます。

朝食の定番のパンが腸もれの犯人だったなんて、衝撃でしたね。でも大丈夫。今回ご紹介した3つのポイントを実践し、傷んだ腸をいたわりましょう。連載もいよいよ20回。今後もご期待ください。


病気知らず冷え知らず 第14回

なぜ、香港は世界一の
長寿都市になれたのか?

ビールは常温で飲む!?
香港の驚きの習慣

世界一の長寿国といえば、日本が思い浮かぶ。しかし意外にも厚生労働省が昨年発表したデータによると、2016年の1位は中国の香港だという。きらびやかなネオン街や高層ビルが立ち並び、大気汚染の問題も深刻。その都市に、いったいどんな秘密があるのだろうか?

じつは、香港には「とにかくからだを温める」文化がある。夏でも常温のビールや温かいお茶を飲み、飲食店ではお冷ではなく白湯が出てくることも。また、彼らは料理の見た目や味よりも「滋養」を重視。毎日食べるスープにはショウガやクコの実などをたっぷり入れ、冬には蛇料理を食べるなど、ぽかぽか食材を日常的にとる。

さらに、からだもよく動かしている。早朝の公園で太極拳に励む姿はおなじみだが、香港には坂道や階段が多く、日常生活を送るだけでも相当な運動量になる。

日ごろから食事や運動などでからだを温め、未然に病気を防ぐ習慣が世界一の長寿都市をつくったのだ。



「寒いから」ではなく
病気を防ぐために温める

ほかの国でも、ドイツはホットワイン、フィンランドはサウナとからだを温める独自の習慣がある。彼らは雪国で暮らしているにもかかわらず、平均体温が37℃と超健康的だから驚きだ。

では、日本はどうだろうか。冬こそ冷え対策が重視されるが、暖かくなればアイスコーヒーやキンキンのビールなど冷たいものを好んで飲む人が多い。そもそも、熱いコーヒーに氷を入れてアイスコーヒーとして広めたのは日本。冷たい飲みものがすぐに買える自動販売機の普及率も日本がいちばん高い。冷えに悩む人が多いのに、冷えを招くきっかけに溢れている。

体温が1℃上がると、免疫力は5~6倍もアップ。からだを温めることが病気予防につながるのだ。諸外国のように、日常的にできるぽかぽか習慣をつくってみよう。


野草ずかん 第8回

ウド
独活



ウコギ科タラノキ属
生薬名:ワドッカツ(和独活)
花期は8~9月で、淡緑色の小花をつける
葉は2回羽状複葉で、小葉は先がとがった卵形



山野に自生する多年草。食用にできる期間はわずかですぐ木のように大きくなるが、やわらかくて役に立たないことから「ウドの大木」ということわざができた。

名の由来は諸説あり、土中にある芽を食用にするので「埋(うず)」が転訛して「ウド」になったともいわれる。

古くから薬の材料として用いられ、平安時代の薬物書『本草和名』や法令集『延喜式』にも名が出てくる。

乾燥させた根茎を煎じて飲むと解熱や頭痛などに、刻んだ茎・葉を布袋に入れて入浴剤にすると冷え症や神経痛によいとされる。

ウドが含まれる商品

ゲルニン129


妙高の野草採り名人
石田さんのひと言

茎はなんといっても春の食材だね。ゴマと和えたり煮物でもいいし。葉っぱは天ぷら、皮はきんぴらにするし、捨てるところがないんだよね。


ふるさとをめぐる 第7回

南の島が育む結晶には、
天然のミネラルがたっぷり

昔は琉球王朝への献上糖としても重宝されたという伊平屋島黒糖



サンゴ礁でできた石垣はこの地域ならでは



刈りとったばかりのサトウキビからはうっすらと汁がにじむ

サトウキビ栽培といえば沖縄県ですが、いま黒糖を県外に出荷しているのは8つの離島だけ。そのひとつが沖縄本島の北西に浮かぶ伊平屋島です。

「伊平屋島の土壌にはサンゴが豊富に含まれています。だから、天然ミネラルをたっぷり吸収したサトウキビが収穫できるんですよ」

製糖工場ではたらく東江さんがそう教えてくれました。さらに、亜熱帯地域特有の台風や雨風が、雑草や害虫を除去してくれるのだといいます。

「収穫したら栄養分を余すことなく搾り出します。搾って煮つめただけですから、精製された白砂糖とは比較にならないほど栄養価も高いんです」

栄養分がとり除かれない黒糖は、ミネラルやビタミンが含まれる純粋な糖分。伊平屋島産はとくにマグネシウムの含有量が約97㎎(100gあたり)と、一般的な黒糖のおよそ3倍! かけらをかじってみると、コクのある甘みの中にほのかな塩味があっておいしい!

『野草酵素』の原料につかわれるこの黒糖は有用菌のエサとなり、発酵には欠かせないもの。開発者の近藤堯氏が長年探し求めてようやく見つけた、こだわりの逸品なのです。