野草だより
125号
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特集 民間療法、その効用に迫る

神話の時代よりわき出る「くすり水」
──コップ1杯、飲むだけの健康法──

“不思議な泉の水を飲んだおばあさんは、みるみる若返っていきました──”

昔話「赤ん坊になったおばあさん」の一節だ。これに似た話は全国に伝わり、日本人が昔から水を神秘的なもの、ありがたいものととらえてきたことがうかがえる。

この考え方はいまも受け継がれ、平成の現在も病気平癒や健康を願い、神社やお寺で水をもらい飲む風景が各地で見られる。 なかでも、日本最古の社である大神(おおみわ)神社には「くすり水」とよばれる水がわき、全国から人が集まる。飲むだけで病気を遠ざけるという水を訪ね、いにしえの都・奈良へ向かった。


特集 民間療法、その効用に迫る
神話の時代よりわき出る「くすり水」 ──コップ1杯、飲むだけの健康法──(2)

病気平癒を願い遠方から訪れる人も多い「くすり井戸」。わき出す「くすり水」はひやりと冷たく、ほのかに甘い

ご神体の三輪山。「神」と書いて「みわ」と読ませるほど尊ばれた三輪山の神は、古事記にも登場する。人が立ち入れるのはごく一部で、太古の原生林がいまも残る



大神神社の権禰宜(ごんねぎ/神職)、平岡昌彦さん



小さな子どもも真剣に水を汲んでいた



取材協力:大神神社
奈良県桜井市三輪1422
☎0744-42-6633

日本最古の神社には
病気平癒の水がわく

奈良駅から車で1時間。四方を山に囲まれ、数多くの古墳も発掘される奈良県桜井市に、日本最古といわれる大神神社がある。本殿を持たず、拝殿奥の三ツ鳥居を通しご神体の三輪山を拝す、古き神祀りの在り方をいまに伝える社だ。

そのご神体である三輪山に降った雨や雪が地層に染みて伏流水となり、ふたたび地上にわき出た水こそが「くすり水」。この水が出る井戸は「くすり井戸」とよばれ、すぐ横は病気平癒の神を祀る狭井(さい)神社の拝殿。水をもらいに来た人で常ににぎわっている。

「ご参拝の帰りにコップ1杯だけ飲む方もいれば、ペットボトル数本分汲んで帰る方もいます。入院中の家族に飲ませるため遠方から汲みに来た、という話も耳にします」

こう教えてくれたのは神職の平岡昌彦さん(54歳)。その言葉のとおり、「くすり井戸」にはさまざまな人が訪れていた。小さいころから飲んでいるおかげで病気知らずや! と笑う70代の男性。足の悪い父のため水を求めて愛知から来た60代の姉妹。50代の男性は、体調をくずしたとき「くすり水」を飲んだら熱が下がったことに感激して、毎日飲みに来るようになった、とうれしそうに話してくれた。

年齢も性別もさまざまだが、水をもらいに来る人がみな自然に井戸に頭をたれ、静かに水を汲む姿が印象的だった。


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白蛇が住むとされるご神木のスギ。樹齢数百年の巨木だ



大神神社の敷地内にある狭井神社。この社の祭りは大宝律令にも記される



地層と植物から立ちのぼる水蒸気により、そこかしこに苔が育つ



三輪山の伏流水で仕込んだ日本酒。大神神社は酒造りの神でもある

取材協力:今西酒造株式会社 ☎0744-42-6022



医学博士 藤田紘一郎先生
1939年生まれ。寄生虫学、感染免疫学、熱帯病学を専門とし現在は東京医科歯科大学名誉教授。腸内環境や飲料水の研究は50年に渡る。『正しい水の飲み方・選び方』『ボケる、ボケないは「腸」と「水」で決まる』など著書も多数

人の手が入らぬ神の山
「くすり水」はその恵み

「くすり井戸」に向かう道すがら、樹齢数百年を超える大きなスギが何本も生えていた。スギは良質な水と肥沃な土壌がなければ大きく育たない。この土地のゆたかさがうかがい知れる。

禁足地として守られ、太古の原生林が残る三輪山。その環境に注目しているのが、東京医科歯科大学の藤田紘一郎先生だ。

「わたしたちのからだを構成する細胞は1万年前からかわっていません。1万年前といえば縄文時代。自然界の一員としてつつましく生きていた祖先が飲んでいた水に近いものを飲むことは、細胞の活性化にも有効です。人の手で汚されず、深い地層を通ってわき出す生水は、人間のからだにもっとも適したものです」

藤田先生によると、長寿や病気を治すと伝えられる水は各地にあり、鍾乳洞窟からわく奥伊勢の水や、大雪山系の伏流水など、どれも人の手の入らない自然環境から生まれているそう。

「水を飲むだけで血液はサラサラに保たれ脳梗塞を防ぎます。自然の水であれば、動脈硬化やむくみを防ぎ、便秘解消の効果まで。高血糖のマウスの血糖値が下がったという報告もあるほどです」(藤田先生)。

これほどかんたんで効果的な民間療法はないだろう。朝・昼・晩・就寝前にコップ1杯飲むことを習慣にし、毎日1.5~2ℓ飲めれば理想的だ。


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神話の時代からつづく大神神社。参道から境内まであちこちに、いにしえの気配がただよう



毎月1回、2ℓのペットボトル8本分を汲みに来る松本さん夫妻。姿勢がピンと伸び、とても若々しい



水をもらい、飲むことには
古来の知恵が息づいていた

戦後、とにかく栄養をとることを重視した結果、水を「栄養も味もない無価値なもの」とみなす風潮が生まれたが、大きな誤りであった。水を飲むことの効能は、ただの水分補給にとどまらない。

「くすり水」を飲みに、あるいは汲みに来た参拝者はみな血色がよく、杖をつく人もほとんどいない。表情も明るくじつに健康的だ。そのなかでも、ひときわ肌ツヤのよい夫婦を見かけ思わず声をかけた。松本寛作さん(72歳)一子さん(69歳)。月1回、大阪からわざわざ水を汲みに来ているそう。

「僕は奈良の生まれで、三輪山の水を飲んで育ちました。1日8回飲むのが日課です。おかげで病気をしたこともなければ健康診断もオールA。お医者さんもビックリですわ!」

15㎏以上ある水を苦もなく担ぎあげ、「今日は軽いほうだよ」と笑うと軽い足どりで帰っていった。

「水をもらい、飲む」という民間療法は、水の効用を経験的に知っていた先人の知恵と自然の恵みに感謝する姿勢が結びついたものなのかもしれない。それは、かつてわたしたちの祖先が大切にしてきた考え方。静かに水を飲む人たちの横顔には、その姿がたしかに息づいていた。


教えて!荒木先生
ドッサリ生活の伝道師・荒木先生がおなかのこと、ドッサリのことをやさしく解説。

サプリメント、あれこれ飲むのが大変です

クマザサ青汁なら、鉄分もカルシウムもたっぷりよ」


さとみちゃん これにしようかな? こっちのチラシのもよさそうだし迷っちゃうなぁ。

荒木先生 さとみちゃん、たくさん広げてどうしたの? なになに、『鉄分ノメ~ル』『ハイパーカルシウム』『とるとるビタミン』。まぁ、全部サプリメントの広告かしら。

さとみちゃん 先生、いいところに! ひとり暮らしをはじめた弟にサプリメントを送りたいんです。でも、たくさん種類があるから迷っちゃって。

荒木先生 家族思いなのね。

さとみちゃん  弟は仕事が忙しくて、レトルト食品や外食が多いんですって。いろんな栄養が足りてないんじゃないかと心配なの。

荒木先生 気持ちはわかるけど、あれこれたくさん送ると面倒に感じて飲まない人もいるのよ。とくに男性はその傾向が強いわね。

さとみちゃん いっぱい送ってもムダになっちゃうかな?

荒木先生 そうね。それに、市販の栄養補助食品は化学的に合成してつくっていたり、食品添加物が入っている場合もあるから、原料はよく確認しないとね。

さとみちゃん うーん。ますますなにを送ればいいのかわからなくなってきました……。

荒木先生 さとみちゃん、天然の野草が原料で、ビタミンもミネラルも鉄分もカルシウムもたっぷり。1日1回おいしく飲むだけのものがあるじゃない。

さとみちゃん そうか、クマザサ青汁ですね!

荒木先生 そのとおり。クマザサは食物繊維に目がいきがちだけど、じつは天然のビタミンやミネラルの宝庫でもあるの。鉄分はホウレンソウの約10倍、カルシウムは牛乳の約2倍、カロテンはニンジンの約7倍、カリウムはリンゴの約5倍も含まれているのよ。

さとみちゃん すごい! クマザサ青汁はドッサリにいいだけじゃないのね。これなら、鉄分もカルシウムも毎日かんたんにとれますね。

荒木先生 それに、クマザサのカロテンはからだの活性酸素を除去したり、目の網膜や粘膜を守ってくれるのよ。カリウムは塩分をからだの外に出すから、むくみ予防にも役立つの。外食ばかりだと塩分過多になりやすいし、弟さんにぴったりだと思うわ。

さとみちゃん なるほど~。クマザサ青汁はドッサリ対策もできて、栄養たっぷりで一石二鳥ね。さっそく弟に送ります!

荒木先生 サプリメントをあれこれたくさん飲む必要もなくなるから、一石三鳥よ。でも、クマザサ青汁を飲んでいれば食事が適当でもいいってわけじゃないことは忘れないでね。

さとみちゃん わかりました! クマザサ青汁といっしょにお米とお野菜も送ることにします♪




野草酵素農法 友の会

薄めてシュッとかけるだけ
ツヤも香りも段違い!感動するほどよく育つ

ご自宅で30種類の花や樹木を育てている磯田さん。土が合わず枯れてしまったり害虫の被害にも困っていたそうですが、野草酵素農法をはじめたら手入れがぐっと楽に。「肥料をつかわなくてもスクスク育ってくれるんです!」と、驚きを隠せないご様子です。


高く立ち上がる穂状の花は、以前よりも大ぶりに。力強く存在感たっぷり(アカンサス)

うれしい変化がたくさん!

虫食いで弱っていた草花が、いまではこんなにつややか。ラベンダーの甘い香りも庭いっぱいに広がるように
(写真は左から、ラベンダー、ルリマツリ、クレマチスの葉)

神奈川県横浜市 磯田裕子さん(66歳)
野草酵素農法歴:5年8ヵ月

「『野草酵素』をあげるだけで庭の植物たちは元気いっぱい。お気に入りのアカンサスは、昨年とくらべて背丈が1.5倍も成長したんです。長年飲みつづけているわたしも、おかげで疲れ知らず。気づけば肌ツヤまでよくなりました」


野草のじかん 第32回

山芋[ヤマイモ]



ヤマノイモ科ヤマノイモ属
生薬名:サンヤク(山薬)



ヤマイモとよばれるものには日本特産で山に自生するジネンジョ、中国原産のナガイモ・ツクネイモなどがある。日本で後者の栽培がはじまったのは縄文後期からといわれる。

19世紀、ヨーロッパのジャガイモが疫病で全滅に瀕した際は、かわりとして中国からナガイモが導入されたという。

主成分のデンプンには消化酵素のアミラーゼ、ジアスターゼなどが多く含まれているため、胃腸虚弱や食欲不振の改善によいとされる。

中国の薬学書『神農本草経』には、「脾胃の傷れたるを主(つかさど)り、虚弱を補い、寒熱の邪気を除き、気力を益し、肌肉を丈夫にする」との記述がある。


妙高の野草採り名人
石田さんのひと言

「つるが長くのびて収穫のころには黄色くなるんだ。昔はよくすりおろしたやつを、そばのつなぎに入れていたなあ」


医者にかかる前に腸に聞け! 第12回

免疫力を高めたければ「ちょい悪(ワル)菌」をとり入れなさい

清潔にしすぎると
腸内細菌が貧弱になる

戦後、公衆衛生は進歩したが、日本人の腸内細菌数は半分に減少。いまや3人に1人がなにかしらのアレルギーを抱えている
出典:「日本におけるアレルギーの有病率の統計」(NPO日本健康増進支援機構)より作成



鈴虫の鳴き声が聴こえ、すっかり秋の気配ですね。同時に、あちこちでクシャミや鼻をかむ音も。もはや花粉シーズンの風物詩ともいえますが、わたしはいつも疑問に思うのです。

子どものころ、よく友人の頭に黄色い花粉をつけて「金髪にしてあげたよ」と遊んだものですが、クシャミをする子はいませんでした。ひと昔前は花粉症などのアレルギー性疾患に悩む方はほとんどいなかったのに、なぜ近年は国民病ともよばれるほど増えてしまったのか。しかも、食物アレルギーを持つ方も多く、命を落とすケースがあるほど深刻な状況です。

これは、わたしたちが過剰な清潔志向になったことが大きく関係しています。いつからか菌を悪者扱いしはじめ、いまや各家庭にまで除菌グッズが常備されるように。テレビCMを見ても「除菌」「抗菌」「殺菌」をうたう商品が次々と登場し、みな菌を排除することに必死です。

このように清潔にしすぎて腸内に「ちょい悪菌」が入ってこなくなると、腸内細菌が減って活気を失います。そして免疫力が低下し、本来無害であるはずの花粉や食べ物が抗原となってアレルギー症状を起こしやすくなってしまうのです。



多くの菌と共生することで
腸が鍛えられ、強くなる

わたしたちはふだん、腸のためにせっせと善玉菌をとり入れていますが、じつは「よい菌」だけだと腸は元気になりません。腸内に「ちょい悪菌」がいることで菌同士が刺激し合い、活性化して免疫力が生まれるのです。赤ちゃんが自分の手足や床に落ちているおもちゃをなめるのも、腸内細菌をゆたかにし、免疫力をつけようとする本能的な行動です。

わたしは田舎育ちのおかげで、昔から土のついた野菜をよく食べていました。いまも手を洗うときは殺菌力の強い「薬用石鹸」は決してつかいませんし、テーブルに落ちた食べ物も拾って食べます。おかげでわたしの腸内細菌たちはとても元気に育ち、人一倍健康なからだを保っています。

ただ、みなさんには「自分の指をなめなさい」とか「床に落ちたものを食べなさい」なんて言いませんのでご安心ください。大切なのは、「菌は汚い、怖い」と刷りこまれた間違った知識を払拭し、菌とおおらかにつき合うこと。手あたり次第に除菌をするような生活をやめれば、ちょい悪菌を日常的にとり入れることができ、腸は鍛えられます。アレルギーや病気にも負けないからだになるのです。

さらに、腸を強くすることでがん細胞をやっつけてくれる体内のパトロール部隊「ナチュラルキラー細胞」も活性化します。くわしくはまた次回、じっくりお話しすることにしましょう。

わたしたちはこの世に誕生するとき、お母さんの産道の中で菌をもらい、腸内細菌を増やすそうです。人生で最初のプレゼントが「菌」だなんて、驚きですね。これからはさまざまな情報に振りまわされずに、菌とともに生きて腸をよろこばせていきましょう。


病気知らず冷え知らず 第7回

なぜ、日本人だけが「冷え」に悩むのか

西洋人との差は約1℃も
冷えは日本人の宿命

よくテレビなどで、真冬でも半袖で東京観光をする西洋人を目にすることがないだろうか。驚くことに彼らは「冷え症」という言葉になじみがなく、一説によると平均体温は37℃、発熱と判断するのは38℃以上だという。いっぽう最近ある企業がおこなった調査では、日本の成人の平均体温は36.1℃だった。同じ人間なのに、なぜこんなにも差があるのだろうか。

それは、からだのつくりに違いがあるから。西洋人は比較的骨格が大きく、熱を生産する筋肉量が豊富。さらに、全身に熱を運ぶ赤血球が日本人よりも多いため、体温を保つ力が高いという。

それとは反対に、わたしたちは熱を生みだす力も保つ力も弱い。くわえて日本は湿度が高く、からだに余分な水分が溜まりやすかったりと、冷える条件ばかりだ。日本人にとって冷えは宿命といっていいだろう。



わたしたちに必要なのは
体温を調節する力

ところが50年前の日本では、現代ほど冷えに悩む人が多くなかった。いまより電化製品が普及していなかった時代、夏は汗をしっかりかき、冬は血管を収縮させてスムーズに体温を調節できていた。そのおかげで、夏と冬の気温差が大きい日本でも37℃近くの健康的な体温を保てていたのだ。

便利な生活があたり前になった現代は、気温差に順応できない人が非常に多い。体温調節がうまくできないと、ただでさえ冷えやすいからだがよけいに冷えてしまう。それを裏づけるかのように、季節のかわりめに体調をくずす人が増え、日本人の平熱は下がるいっぽうだ。

いまわたしたちに必要なのは、眠っている体温調節機能をよび覚ますこと。1日1回は外の空気にふれ、軽くからだを動かしてみるといい。暑い日は汗とともに体内に溜まった熱が排出され、寒い日は芯からぽかぽかと温かくなるのがわかるはず。本来備わっている機能をじゅうぶんにつかい、冷えないからだをつくりたい。