野草だより
128号
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特集 長生きの決め手は“センイ”にあった!

寒風が産んだ、奇跡の長寿食──つまり知らずで短命県から長生き県へ──

できたてぷるんぷるんの生の寒天(茅野では「生天」とよぶ)を並べ、天日干しにする。



前日に干した生天は翌朝、3分の1ほどが凍った状態に。これをくりかえすことで乾燥し、寒天となる

全国で平均寿命第1位を誇る長野県。ところが、かつてはいまと正反対に短命で知られる県だったとか。本誌「教えて! 荒木先生」でおなじみの荒木先生が編集部員のさとみちゃんに与えたのは「奇跡的なV字回復のヒミツをさぐるべし!」との使命。さっそく長野へ飛び、調査をはじめたさとみちゃんが出会ったのは、茅野市特産の天然寒天。食物繊維をたっぷり含むこの寒天こそ、長野を短命県から長生き県にかえた奇跡の長寿食だったのです。


特集 長生きの決め手は“センイ”にあった!
寒風が産んだ、奇跡の長寿食──つまり知らずで短命県から長生き県へ──(2)

稲を刈りとったあとの田んぼに生天を整然と並べた板がぎっしり敷きつめられた凍乾場。壮観なながめだ

八ヶ岳連峰、蓼科高原の西に広がる寒天の里、茅野。12月半ばから翌年2月はじめまでおこなわれる天然寒天づくりは冬の風物詩だ



原料の天草とオゴグサ(オゴノリ)は水洗いし、1日水に漬けたあと、煮沸の釜へ



天草などの原料を大釜で煮て、煮出し汁をつくる。それを固めたものが生天だ



生天に空気の抜ける穴をあけ、凍乾を均質にする



その年の気候にもよるが、約8~10日凍乾を経ると棒寒天が完成



小池隆夫氏(71歳)
長野県寒天水産加工業協同組合代表理事・組合長。昭和初期の創業以来、天然製法の寒天にこだわりつづける(有)イリイチ寒天の代表。最盛期の250軒から10軒ほどに減った茅野の寒天屋の一軒として、上質な寒天づくりとその普及に努めている

短命の元凶、脳卒中を防げ!
強い味方は寒天の食物繊維

長野は日本一の長生き県。厚生労働省が平成25年に発表したデータによると、都道府県別の平均寿命で男女ともに第1位です。これは平成22年の前回調査につづく快挙で、平均寿命は男性80.88歳、女性87.18歳。とくに男性は平成2年以来、見事6回連続で不動の第1位なのです。

でも、じつは以前の長野は短命な県だったというから驚きです。昭和40年の平均寿命は男性が全国9位、女性は26位。とくに脳卒中の死亡率は全国1位で、県内では茅野市がワースト1だったそう。この茅野にある諏訪中央病院の名誉院長、鎌田實先生ら医師は、脳卒中を予防するために立ち上がりました。鎌田先生はこう話します。

「まずとり組んだのは減塩。漬け物などで過剰にとり過ぎていた塩分を減らすことでした。また脳卒中予防には血管が肝心と考え、血管を健康にする抗酸化力のある野菜の摂取もすすめました。さらに注目したのが食物繊維。キノコや野菜のほか、もっともパワーがあったのが“繊維の王様”といえる寒天だったのです」

じつは茅野は江戸時代末期から約180年つづく、寒天の名産地。鎌田先生たちは、その力を生かそうと考えたのです。

「寒天はゴボウやセロリとくらべても圧倒的に食物繊維が豊富。食物繊維をとることで腸のはたらきが整い、便通がよくなるとダイエットにも効果的です。また食物繊維は消化吸収をゆっくりにし、血糖値の急上昇を抑えるので動脈の老化も防げます。こうした肥満防止、動脈硬化防止が結果的に脳卒中を減らし、生活習慣病やがんの予防にもつながったのです」

寒天の食物繊維含有率はなんと74.1%で、全食品の中でダントツの第1位。乾燥ヒジキ43.3%、干しシイタケ41.0%(「日本食品標準成分表」より)などとくらべても圧倒的です。さらに原料は海藻なのでカロリーはほぼゼロで、カルシウムや鉄分などのミネラルもたっぷり! この寒天パワーのおかげもあり、長野県の平均寿命は着実に、しかも飛躍的にのび、ついに全国一の長生き県となったのでした。

となれば、ぜひ茅野市を訪れて、寒天をつくる一部始終を見てみたい。さっそくやってきました。

ときは1月上旬。稲を刈りとったあとの田んぼ一面に、なにやら雪のように白いものが並べられています。見ればこれが寒天! 茅野をはじめ諏訪地方ではいまも伝統的な天日干しで天然の寒天をつくっているのです。

昭和初期創業の(有)イリイチ寒天代表で、長野県寒天水産加工業協同組合代表理事・組合長の小池隆夫さん(71歳)は、こう教えてくれました。

「350年近く前の江戸時代に京都で発明された寒天は、天保年間に諏訪へ伝わりました。関西へ出稼ぎにいっていた小林粂左衛門という人が製法を学んで、故郷へ持ち帰ったのですよ」

その製法はいまもほぼ当時のまま。天草やオゴグサ(オゴノリ)を釜で煮て、煮出し汁を凝固させた生天を、凍乾場とよばれる野ざらしの水田跡地で凍結・乾燥させてでき上がりです。

「マイナス7~10℃くらいまで気温が下がる夜に凍り、4~10℃になる昼間に溶けて……をくりかえし、約10日かけて寒天は白く乾燥していきます。この寒暖差が大きい気候と、茅野を流れる宮川水系の澄んだ水が寒天づくりにぴったりだったのです」


特集 長生きの決め手は“センイ”にあった!
寒風が産んだ、奇跡の長寿食──つまり知らずで短命県から長生き県へ──(3)

しゃきっと伸びた背すじ、上々の肌つや、若々しい笑顔の小海嘉介さん(81歳)。冬はここで奥さんとともにはたらき、夏は野菜をつくる名人でもある



水でほぐした寒天をちぎって炊飯器に入れるともっちりと炊き上がる。米3合に棒寒天1本が目安



食改さんは右から小池すみ子さん(76歳)、藤森政子さん(77歳)、溝口希理子さん(73歳)。温かく気さくなおかあさんたちだ



食改さんが腕をふるってくれた寒天フルコース。寒天とセロリの白和え、寒天ピラフ、紅白寒天、くるみと豆腐寒天

天の恵みと、人の力。
伝統の寒天はその結晶

この時期、厳しい寒さをものともせずはたらくのが「天屋衆(てんやしゅう)」とよばれる人たちです。凝固した生天を切り出すのも人の手。それを凍乾場にひとつひとつ並べるのも人の手。天然寒天は、天の恵みと人の力のたまものなのだなぁ、としみじみ感じます。

さて、そんな天屋衆の中に、高齢ながらも元気いっぱいにはたらく人が。聞けばなんと81歳だという小海嘉介さん。ほっかむりに毛糸の帽子、満面の笑顔ではたらく姿は若々しく、すこしもお年を感じさせません。

「寒天はもちろん毎日食べてるよ。ご飯に入れて炊くとねばりが出ておいしいし、“天よせ”っていうようかんみたいなお菓子にして食べると、疲れがとれるんだ。寒天のおかげかな、便秘なんかしたことないし、医者にかかったこともない。このままじゃ死ねないかもしれないよ(笑)」。そう言って無邪気に笑う小海さん。

ヘルシーなだけでなく、おいしさも小海さんお墨付きの寒天を、わたしたちも味わってみたくなりました。

そこで登場してくれたのが「食改さん」とよばれる3人のおかあさん。厚生労働省の指定する健康講座を受講した「食生活改善推進員」で、地域で食生活の改善指導など健康増進のために活動する人です。長野県では「食改さん」の活躍が長寿の一助になったといわれます。

おかあさんたちがつくってくれた白和えやピラフなどの寒天フルコースはさすがきっちり減塩が守られ、やさしく上品な味でした。伝統の天然寒天を守りつづける天屋衆の熱い心、昔なじみの食材である寒天を現代の食卓においしく届ける食改さんの温かい心。そんな多くの思いを一身に受けた寒天の力が、長野を短命県から長寿県へと元気によみがえらせたのでしょう。




妙高通信 第108回(最終回)
『野草酵素』のふるさと、妙高高原からのメッセージ。開発者・近藤堯氏が綴る好評連載。

温暖化やエルニーニョ現象による異常気象が叫ばれる昨今。今年の正月、妙高は雪もなく、好天つづきでした。その後、寒気が南下してきて雪が積もり、やっといつもの妙高らしい冬景色が見られるようになり、胸をなでおろした次第です。

妙高の野草に雪は欠かせません。雪の水分、温度、含まれるミネラル、そして雪の重み、「雪圧」が野草を育ててくれるからです。ブナなどの「根曲がり」がいい例。幹が曲がっても雪の下で耐えぬく生命力が春の芽吹きを生みます。野草にも、過酷な環境を跳ねかえす力が蓄えられるのです。



妙高だからこそ安心してつづけられる

いま野草の話をしましたが、かくいうわたしも妙高の自然にはぐくまれ、その恩恵に浴してきたといっても過言ではありません。妙高で発見した有用菌をつかい、地元の野草を原料に、地元のスタッフに支えられてきたのですから。108回におよぶこの連載では、いまに至る紆余曲折をくりかえし語ってきました。まさに「根曲がり」のような歩みです。

いままでの歩み、経験は、研究所のスタッフにも引き継がれています。表面上はかわらないように見えても、研究課題や目標は日々、進化しているのです。その成果は、これからみなさんのお手元に届くはず……そうした期待をこめて本連載を締めくくりたいと思います。

※長い間、ご愛読ありがとうございました


なるほどナットク引き算健康法 第18回

甘味料に潜む甘い罠

いまやあらゆるものに使用されている甘味料。とくに、“糖質オフ”や“カロリーゼロ”と表記されるものは、砂糖にかわり甘味料がつかわれる可能性が高い。はたしてそのリスクは……。

よくつかわれる危険な甘味料

果糖ブドウ糖液糖 ・・・ 糖尿病、肥満
アセスルファムK ・・・ 肝臓障害、免疫力の低下
アスパルテーム ・・・ 発がん性、脳腫瘍
スクラロース ・・・ 免疫力の低下
※人によっては、下痢やめまい、抜け毛などを起こすこともある

糖質オフ”や“カロリーゼロ”に要注意。健康のための選択が逆効果に!?

【今回のまとめ】

おいしさの裏には危険性が。
表示をよく見て甘味料の引き算を!

あなたは大丈夫? 甘味料の足し算チェックシート

  • □甘いジュースやお菓子に目がない
  • □糖質カット、カロリーオフの食品を積極的に選ぶ
  • □サラダには市販のドレッシングを欠かさない
  • □毎日ガムやあめを食べている
  • □ビールよりも発泡酒を飲む

2つ以上あてはまる人は、過剰な足し算の可能性大!


野草酵素農法 友の会

化学肥料なんて目じゃない!茎は太く葉は厚く。とにかく甘くて味が濃い!

北海道登別市 橋詰典佳さん(78歳)
野草酵素農法歴:5年

「『野草酵素』で育てると殺虫剤も農薬も不要になります。葉も茎も丈夫になって、虫や病気に負けなくなりますからね。人間も同じ。わたしも酵素を飲みはじめてから風邪ひとつひかず、病弱だったのがウソのように元気です!」

1200坪の菜園で野菜33種とくだもの20種をつくる橋詰さん。できた作物は味が濃くて果汁たっぷり、とにかくおいしいと近所で評判です。化学肥料をつかわずとも、薄めた『野草酵素』を与えれば丈夫に育ち、味も香りも格段によくなるそうです。


ブドウ、スモモ

皮がはじけそうなほど果汁たっぷりで、とても甘い。試食した取材スタッフもびっくり


キウイフルーツ

まるまると太った果実が鈴なりに実る


キャベツ

葉が厚く元気いっぱいのキャベツ。「毎朝食べています。味がいいから生でモリモリいけますよ!」と橋詰さん


ダリア

花もこのとおり。『野草酵素』で色鮮やかに!


野草のじかん

波布茶[ハブ茶]



エビス草
マメ科カワラケツメイ属
生薬名:ケツメイシ(決明子)



享保年間(18世紀前半)に中国からもたらされたエビス草の種子を原料とする。古くから健康茶として親しまれる。

本来ハブ草からつくられていたが、収穫量がすくないハブ草にかわって現在では効能にほとんど差がないエビス草が主流になった。

生薬名「決明子」は「目を明らかにする」という意味。中国では目の充血解消や眼精疲労の民間薬としてつかわれている。

高血圧予防、便通改善、滋養強壮などにも効果があるとされ、中国最古の薬学書『神農本草経』にも記されるほど生薬としての歴史がある。


妙高の野草採り名人
石田さんのひと言

「昔から有名なお茶だよね。深酒したあとに濃く煮出したハブ茶を飲むと、二日酔いの予防になるんだ。口内炎なんかにもいいんだよ」


医者にかかる前に腸に聞け! 第9回

悪玉菌でボロボロになる前に「サラダ油」をやめなさい

病気になる油を
口にしていませんか?

サラダ油やキャノーラ油は腸にとっては敵。積極的にとりたいのはオメガ3脂肪酸だ。1日の目安は大さじ1杯程度だそう
コーン油、落花生油、米ぬか油、紅花油、ひまわり油、大豆油、菜種油を指す



これらの油は酸化しているため、有害物質も含んでいる。悪玉菌が増えるいっぽうなので、できるものから減らそう

みなさん、食べ物で気をつけていることはありますか? 健康ブームの昨今、さまざまな情報に振りまわされることが多々あります。

なかでも、油ほど誤解の多い食品はないでしょう。調理油として一般的なのはサラダ油。健康に気をつけている方には「コレステロール0(ゼロ)」や「脂肪がつきにくい」といったヘルシーオイルが人気ですね。しかし、一見からだによさそうなこれらの油も、とり過ぎると腸を汚してしまうのです。

原因はサラダ油に含まれるリノール酸。からだに必須な成分ではありますが、リノール酸は納豆や野菜などあらゆる食材に含まれるため、調理油からとると過剰摂取に。すると腸は炎症を起こし、悪玉菌でドロドロに汚れます。

さらに恐ろしいことに、腸に細かな穴が空き、ボロボロになって毒素や老廃物がからだ中にもれてしまうのです。アレルギーや倦怠感、頭痛、ドライアイ、うつなどの現代人に多い症状も、これが原因で起きるケースが多い。「自分は大丈夫」と思われるかもしれませんが、いま日本人の約7割の腸に穴が空いているという研究データもあります。



オリーブオイルや
オメガ3脂肪酸をとって

そうはいっても、すべての油が悪いわけではありません。油は健康なからだづくりに不可欠なもの。大切なのは、腸が「嫌う油」と「好む油」を知ることです。サラダ油は腸が嫌う油なので、極力控えてください。

では、腸が好む油とは。それは「リノール酸のすくない油」です。わたしが愛用しているのはオリーブオイル。便が軟らかくなり、便秘解消に役立ちます。

また、エゴマ油や亜麻仁油(あまにゆ)もいいですね。腸の炎症をしずめるオメガ3脂肪酸が含まれ、空いてしまった穴も塞いでくれるのです。しかし、これらの油はスーパーでもとり扱いがすくなく、手に入りづらい。そこでおすすめなのが、サバやアジなどの青魚。こちらにもオメガ3脂肪酸は含まれるので、積極的にとりましょう。

また、腸をきれいにするには調理油をかえるだけでは不十分です。なぜなら、腸が嫌う油はレトルト食品や菓子類などあらゆるものに隠れているから。パッケージの原料表示欄に「植物油」と書かれているものはリノール酸を主成分とする油なので避けたいもの。右にいくつか食品をあげましたので、参考にしてください。

今日口にしたその油が、明日のからだをつくります。よい油を選択し、腸をきれいに保ちましょう。

急にすべての油をかえるのはむずかしいですが、たとえばドレッシングを手づくりするだけでも腸はよろこびます。藤田先生のおすすめは、亜麻仁油にレモン汁と岩塩をふりかけるだけのシンプルなドレッシング。かんたんなのに、とてもおいしいそうです。


病気知らず冷え知らず 第4回

ムズムズつらい花粉症は「温めてほしい」サイン!?

からだに溜まった水は
低体温を招く冷却ゼリー

ようやく寒さが和らぎ、春の訪れと同時にやってくるのが花粉症だ。処方された薬を飲んだり、マスクやメガネといった専用のグッズで対策をしている方も多いだろう。しかし、なにをしても症状が軽減せずに悩んでいる方。もしかしたら冷えによる「水毒」が原因かもしれない。

からだが冷えるとめぐりが悪くなり、余分な水分を溜めこむ。これは冷却ゼリーを全身に巻きつけているようなもので、芯からどんどん冷えて低体温に。すると免疫力がガクンと落ち、少量の花粉にも過敏に反応してしまうのだ。

それだけではない。疲れやめまい、頭痛、肩こりにくわえ、呼吸困難を起こすことも。さらに恐ろしいことに、水分で血液量が増えて血管がつまりやすくなり、脳出血のリスクまで招いてしまう。



毎日の食事に原因が!?
カギは「陰性」と「陽性」

水毒になる人にはある共通点がある。それは食の好みだ。ジュースやジャム、パン、牛乳、マヨネーズなどの白砂糖や脂質がたっぷりのもの、またコーヒーやカレーといった刺激の強いものをよく口にしていないだろうか。じつは、これらはからだを冷やす「陰性」食品。気づかぬうちに、水毒に陥っているのだ。

では、どんな食べ物をとればいいのか。それはからだを温める「陽性」の食品。たとえば、ニンジンやゴボウなどの根菜類、味噌などの発酵食品、ニンニク、ショウガなどを積極的に食べるといい。

ただし、「水毒」といっても水分を制限するのは逆効果。脱水症状を防ごうと体内の水分を停滞させてしまうため、水毒は悪化する。ノドが渇く前にこまめに水を飲み、不要な水分をスムーズに排出させ、めぐりをよくすることが大切。

暖かくなり、油断しやすい春は冷えの影響を受けやすい。からだに冷えが残っているいまこそ、毎日の食事で内側から温めよう。それを習慣にすれば、花粉症もグンと軽くなることに気づくはずだ。