野草だより
127号
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特集

金沢大野で発酵食美人になる!
──健康と美の秘訣は発酵食にあり。「ヤマト・糀部」──

食堂の壁に高々と掲げられた「糀」と「麹」の書。どちらも「こうじ」と読む。「糀」は米からつくられた米糀、「麹」は麦が原料だ

加賀百万石の城下町・金沢は、美人の多いまちである。その美しさを生みだすもとは、気候、風土、食文化のどこかにきっと理由があるはず。そこで気がついたのが、醤油や味噌醸造にくわえ、かぶら寿司や大根寿司などこの土地ならではの発酵食文化の活発さだ。健康と美の秘訣は食にあり。その思いのもと、金沢大野の「ヤマト・糀部」を取材した。


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金沢大野で発酵食美人になる! ──健康と美の秘訣は発酵食にあり。「ヤマト・糀部」──(2)

炊きたてのご飯に水と乾燥糀をくわえ、炊飯器で10~12時間保温してつくる自家製甘酒。砂糖などはつかっていないのに自然でふくよかな甘さがおいしい



金沢港の水辺に建つヤマト醤油味噌は歴史の風情を感じるたたずまい。初代は船乗りで、ここから北海道への商いを開拓したという



ヤマト醤油味噌の4代目山本晴一氏。発酵に不可欠な酵素を生みだす糀菌に着目し、さまざまな商品を企画開発している



同社が運営する「糀パーク」にある「糀手湯(ハンドバス)」。湯に溶けこませた糀の力で手がすべすべになる



講師の伊藤まゆみ先生。ヤマト醤油味噌が展開する「発酵食大学院」を卒業し、料理教室の講師に。食育インストラクターで、16歳になるひとり息子の母でもある



講師のデモンストレーションで料理教室開始



市川純恵さん(43歳)
夫と10歳の娘、9歳の息子との4人暮らし。子どものためにも食材や調味料を自然でからだにいいものに置きかえたいと考えている

「発酵食美人は腸美人」
美を導く「一日一糀」の習慣

日本海に面した港町、金沢大野は野田、銚子、龍野、小豆島に並ぶ醤油の五大産地のひとつ。北前船が運んだ麦や大豆に、能登の塩、白山水系の伏流水を生かし、江戸時代より醤油づくりが発達。加賀百万石の味を支えてきた発酵のまちだ。

この地で醤油や味噌づくりを営むヤマト醤油味噌は明治44年創業。現在の4代目は、腸内環境を整える「一日一糀」の習慣に注目した。そして、糀をとる食習慣の大切さを地元の主婦たちにも実感してほしいという思いからつくられたのが「ヤマト・糀部」だ。糀部のスローガンは「めざせ、発酵食美人」で、毎月一回、糀をつかった料理教室を開催している。

この活動は、マスコミにもとりあげられ、毎回キャンセル待ちが出るほどの人気。教室でむかえてくれた講師の伊藤まゆみ先生はこう語る。

「塩糀、醤油糀など、毎回ひとつの発酵調味料をとりあげて料理を学んでいただいており、今日のテーマは甘酒。砂糖のかわりに甘酒をつかうことで栄養価が上がり、味つけもかんたんで時短になります。いまでは甘酒はスーパーなどでも買えるので、気軽に試すことができます」

「そして発酵食の持つ健康効果も魅力のひとつ。わたしの場合は、糀の持つさまざまな効果のおかげで自然に体重が10㎏減り、その後、リバウンドもありません。それに小児アトピーのため冬場はかさついていた肌や髪も、しっとりうるおってきました」

さて教室には20名近くの女性が集合。なかには母娘での参加もあり、幅広い年代の発酵食への関心の高さがうかがえる。今回が初参加という市川純恵さんに話を聞いてみた。

「かぶら寿司はよくつくりますが、もっと発酵食品のつかい方を学びたいと思い、はじめて参加しました。塩糀や醤油糀、甘酒など発酵食品をつかえば、過度な調味料は不要だというのもうれしいですね。それに糀の力でお通じをよくしたいし、ノーメイクだとしみ・そばかすが気になる肌も美しくなればと願っています」


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金沢大野で発酵食美人になる! ──健康と美の秘訣は発酵食にあり。「ヤマト・糀部」──(3)

料理教室の参加者たちは3つのテーブルに分かれ、グループで調理。はじめてでも自然に笑顔が生まれる、楽しく和気あいあいとした雰囲気だ。何度も参加するうち、さらに親しくなり、「ここへ来て友達ができたのもうれしい」と語る方も



この日の献立は甘酒肉味噌を混ぜこんだ里芋コロッケ、醤油甘酒ソースを添えた鶏ハム生春巻きなど全部で5種類。甘酒がふんだんにつかわれている



三谷純奈さん(30歳)
料理好きのうえ、4歳と2歳の娘のためにも安心・安全な食生活をと望み、一日一糀を実践。風邪をひいても治りがはやくなったと語る



齋藤智香子さん(57歳)
夫の転勤で東京から金沢へ転居し、大野近辺に在住。家庭では醤油糀、塩糀、甘酒など一日三糀生活を実行



徳田留美子さん(38歳)
テレビ番組で料理教室を知り、夫と自身の健康のためにと、今回初参加。自宅の料理ではおもに醤油糀を愛用

発酵食は「未来食」。健康と
美のために、いまこそ必要な食習慣

市川さんと同じ班で調理中の三谷純奈さんは7回目の参加。明るい笑顔が素敵だが、以前は全身の吹き出物に悩んでいたという。

「皮膚科も受診しましたが、薬ではなく食で改善したいと思って、この料理教室へ通い、一日一糀を実践しました。すると1カ月で肌の調子がとてもよくなったんです。からだの中を整えることで自然に肌をいやせたと実感しています」

同じく家庭でも発酵食をとり入れているという齋藤智香子さんにも話を聞いた。

「東京から金沢へ越してきた縁もあり、発酵食文化に興味を持ちました。いまでは家でも発酵食を欠かさず、一日一糀どころか『一日三糀』。そうしたら便秘がちだったお通じの調子がよくなり、肌もキレイになりました。それに伊藤先生と同じく5㎏以上痩せたんです」

三谷さんも齋藤さんも発酵食を日常的にとることで食生活を改善し、自身が求める体調やお肌を手に入れたという。和食や発酵食など忘れられかけていた古きよき食文化を見直し、学ぶことはこれからますます大切になるに違いない。

最後に、人一倍熱心に調理にあたっていた徳田留美子さんが、こんな夢を語ってくれた。

「夫婦で健康に暮らしたいし、将来子どもが生まれたら、糀をつかって田舎のおばあちゃんみたいな料理をつくってあげたい」

そのとおり、発酵食は伝統食でもありながら、「未来食」。子や孫にしっかり伝えていきたい大切な文化だ。そして年齢を重ねても、からだの中から美しく、すこやかな「発酵食美人」でありつづけるために欠かせない、日本が誇る尊い知恵なのである。



本誌連載でもおなじみのカイチュウ博士
藤田紘一郎先生に聞く

日本が誇る発酵食品には
若さを保つ効果がある

 味噌、醤油、納豆、ぬか漬けなど日本は世界に誇れるほどゆたかな発酵食品を生んできた国。糀菌は日本の「国菌」と認定されています。なぜ発酵食品が健康によいのかといえば、腸内の善玉菌を増やし免疫力を高めてくれるはたらきがあるからです。

 最近の研究では、この善玉菌、悪玉菌、日和見菌の腸内バランスが大切なことがわかってきました。腸内環境を花畑に見立てて腸内フローラとよんでいますが、糀や麹を利用した発酵食品は、酵素が豊富で腸内フローラを活性化し、健康で若々しさを保つ抗酸化作用もあるのです。



妙高通信 第107回
『野草酵素』のふるさと、妙高高原からのメッセージ。開発者・近藤堯氏が綴る好評連載。

去年、大村智・北里大学特別栄誉教授がノーベル医学生理学賞を受賞し、わたしは我がことのように興奮しました。大村教授は静岡県のゴルフ場わきで採取した土壌から新種の菌を発見し、アフリカで寄生虫が原因の感染症の特効薬をつくりました。この薬のおかげで、毎年、3億人を超える人命が救われているそうです。



発酵文化の国だから

わたしが『野草酵素』のもととなる有用菌を発見したのは妙高山中。約30年間、とにかく山中くまなく土壌を採取してまわりました。いまとなってはその場所を特定できないのですが、野草を育てる力のある土は「宝物」、ここには必ずよいものがあるという確信がありました。毎日採取した土を顕微鏡で覗き、あるとき、直感でこれだ!! というものを見つけたのです。

顕微鏡で菌を観察することが楽しかったので、苦労はまったく感じなかった。大村教授は、亡くなった「ワイフ」には大変迷惑をかけたとおっしゃっていますが、わたしも似たようなものかもしれません。

有用菌の発見と活用……それは味噌・醤油に代表される日本の発酵文化の得意とするところ。若い研究員たちが自由な発想で、大発見をしてくれる日も近いかもしれません。期待しましょう。



※本連載は次回が最終となります。長い間、ご愛読ありがとうございました。『酵素塾』は不定期でつづけます


教えて!荒木先生
ドッサリ生活の伝道師・荒木先生がおなかのこと、ドッサリのことをやさしく解説。

不摂生をリセットできますか?

「野菜たっぷりの鍋でおなかを温めて」


さとみちゃん 新しい年になりましたね!

荒木先生 今年もよろしくね。あら、すこしふっくらした?

さとみちゃん えっ!? じつはお正月、家からあまり出なかったんです。おいしいものもたくさん食べちゃったし……。

荒木先生 こたつでゆっくり過ごしていたから、こうなったのね。確かに年末年始は間食が増えたり、だらだらと食べたり、生活リズムも乱れやすいわ。でもそれはズバリ、おなかの大敵! クマザサ青汁を飲んでいるからといって、不摂生をしていいわけじゃないのよ。

さとみちゃん はい、反省しています。

荒木先生 ドッサリのためには、ふだんの生活がなにより大事。この季節、からだをリセットするには野菜たっぷりの鍋がおすすめよ。旬のハクサイやホウレンソウ、センイが豊富なキノコも入れてね。からだが温まるとおなかも活発にはたらくようになるの。

さとみちゃん アツアツのお鍋、いいですね!

荒木先生 食べたものが体内で消化され、排出されるまでには12~72時間。お通じのたびに、「なにを食べたか」を振りかえるといいわよ。おなかに留まる時間が長いほど、便はカチカチで出にくく、ニオイも強くなるの。

さとみちゃん なるほど。

荒木先生 寒くなると運動量も減るから、外出や通勤のときには意識して歩くようにね。この1年もいっしょに、 ドッサリ晴れ晴れをめざしましょう!


なるほどナットク引き算健康法 第17回

加工肉が引き起こす 深刻な健康被害

「加工肉を毎日50g以上食べると、がんの発症率が約18%高まる」と、昨年10月に国際がん研究機関から発表があった。そのほかにも、さまざまな健康被害を招く可能性が。
※ハム・ベーコン2〜3枚、ウインナー3本ほど

徐々にからだに溜まっていく加工肉の害。危険性を知り、食卓から引き算を

【今回のまとめ】

食べる量を減らすことが第一。
どうしても食べたいときは、無添加のものを!

あなたは大丈夫?
加工肉の足し算チェックシート

  • □ハムやソーセージ、ベーコンなどを毎日食べる
  • □見た目が色鮮やかでおいしそうなものを選ぶ
  • □加工肉入りの総菜パンやサンドイッチが好きだ
  • □値段の安さを優先し、原材料表示は見ない
  • □ゆでずにそのまま食べる

2つ以上あてはまる人は、過剰な足し算の可能性大!


野草のじかん 第28回

波布草[ハブ草]



マメ科カワラケツメイ属
生薬名:ボウコウナン(望江南)



熱帯アメリカ原産の一年草。羽状複葉で、小葉の先がとがっている。夏に黄色い五弁花を咲かせるが、マメ科特有の蝶形ではない。

江戸時代に伝えられ、沖縄や小笠原諸島に自生する帰化植物。各地で薬用に栽培されている。同じマメ科のエビス草とは見た目・効能が似ているため混同されやすい。

ハブに噛まれたときの民間薬として用いられたことが、その名の由来といわれている。

種子を日干し、乾燥させたものを煎じて飲むと、健胃、便通改善などによいとされる。生の葉を揉んだ汁は、虫さされのかゆみ止めとしてもつかわれる。


妙高の野草採り名人
石田さんのひと言

「水はけのよい場所で育つんだよね。マムシ草という別名もあるけれど、じっさいの毒消し効果はないといわれているよ」


医者にかかる前に腸に聞け! 第8回

老化を防ぎたいなら「腸の時間割」を守りなさい

暴飲暴食、夜ふかしが
からだをサビつかせる

腸は時間とともにはたらきが変化。朝に腸を刺激すれば、切りかえもスムーズに。また、消化・吸収の時間帯に食事をとると、余分な脂肪にかわりやすいので要注意
※腸が収縮、弛緩をくりかえして、便を肛門まで運ぶ動き



また新しい1年がはじまりました。本年も引きつづき「腸を元気にする方法」をご紹介していきますので、どうぞおつき合いください。

さっそくですがみなさん、年末年始は暴飲暴食、夜ふかしなどをしませんでしたか? 楽しいことがつづいた反面、すこし疲れも溜まってきているころでしょう。

「健康のためには規則正しい生活を」とよく言いますね。「わかってはいるけど、つい……」。その気持ちは痛いほどよくわかります。でも、あえて言います。不規則な生活をつづけると大切な腸が疲労し、わたしたちはどんどん老いるのです。

腸の動きは「おなかが空いた」「眠い」などの体内リズムと連動しています。そのため、食べ過ぎや飲み過ぎといった乱れた生活を送ると、腸はすぐに衰えます。からだの中でいちばんのはたらき者ですから、疲れやすく、老いやすいのです。

そうなると大変です。体内に疲労物質が充満して肌や髪はボロボロになり、一気に老けこみます。やがて骨や脳をサビつかせ、骨粗しょう症や認知症までも引き起こす。腸を大切にしないと、寝たきりになるリスクをつくってしまうのです。



おなかが「グ~ッ」と鳴ると
みるみる若返る

右のグラフをご覧ください。これがわたしたちの健康をつくる「腸の時間割」です。

じつを言うと、かつてはわたしも夜中まで研究、飲み会……と散々な生活を送っていました。そのころの顔は脂っぽく、髪はうすくなり、糖尿病まで患うというありさま。ところが、この時間割どおりに生活したら、肌ツヤがよく髪はフサフサ、血糖値やコレステロール値もみるみる正常になったのです。

この時間割でいちばん重要なのは、食事のタイミング。毎日同じ時刻に食事をとると、腸は若返ります。

なおかつ、食べる前の空腹感が強いほど効果は絶大。食間を4~6時間は空け、決まった時間におなかが「グ~ッ」と鳴れば完璧です。

となれば、おなかが空っぽの朝はきちんと朝食をとるべき。腸のはたらきが大きく切りかわる1日のはじまりに、しっかりと腸を刺激しましょう。

夜勤やシフト制の方が不調を抱えやすいのも、食事の時間がバラバラだから。体内リズムが乱れ、腸に負担がかかってしまいます。なるべく食事の時間はずらさずに、合間に仕事や睡眠をうまく組みこむよう心がければ、不調も軽くなるはずです。

「腸の時間割」を守り、愛しい腸を思いやる。そうすれば若々しく健康になれるのです。ぜひ実践してみてください。

ふだん不規則な生活の方は、耳が痛いと思われたかもしれません。でも、まずは朝食を食べる、同じ時間に起きるなど、できることからはじめれば大丈夫。すこしずつ腸が元気になっていくことに気づくはずです。


病気知らず冷え知らず 第3回

温まるはずが、逆効果!? 冷え対策の落とし穴

1日中暖かい部屋にいる
そんな方は要注意!

いよいよ冬本番。冷え症の方はもちろん、そうでない方にもつらい季節の到来だ。からだが冷えやすい冬場は暖房器具が欠かせない。1日の大半をストーブの前やこたつの中でじっと過ごすことも多くなるだろう。しかし、ここには意外な落とし穴が潜んでいる。

たとえば暖かい部屋にずっといると、外に出たときにいっそう寒く感じるという経験はないだろうか。じつは、暖房に頼りすぎると体温調節機能が衰え、体温を上げる力が弱まってしまうのだ。

さらに恐ろしいことに、過剰にからだを温めると脳が「暑い場所にいる」と錯覚し、体温を下げてしまう。すると、どれだけ暖房をつかってもからだはどんどん冷えていき、さまざまな病気を招くことに。


冬こそ必要なのは
「温める力」

では、いったいどうすればからだは温まるのか。それは、思い切って外に出て、散歩をすること。はじめは寒くてつらく感じるかもしれないが、10分も歩けば全身の筋肉が動き、からだの内側からぽかぽかしてくる。さらに、太陽の光を浴びることで体温を調節する自律神経が整い、自分の力で温まりやすくなるのだ。

出かけるのは気温が比較的高い日中がおすすめ。室内外の急激な温度差で血圧が上昇しないように、前回お伝えした「首・手首・足首」をマフラーなどで温めるとよい。ただし、天気が悪い日や体調が優れないときは無理をしないように。

とはいえ、暖房を避けて寒さをガマンしすぎると、からだに負担をかけてしまう。重要なのは、「温まったな」と感じたらいったん電源を切るなど、あくまでも過度な使用を控えることだ。

便利になったいまだからこそ、みずからの「温める力」をつかう工夫を。景色を見ながらゆっくり歩けば、1日の楽しみにもなる。冬こそ適度な運動を心がけ、元気に寒さを乗り切ろう。