野草だより
128号
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北の大地に、みじかい夏がやってきた
――クマザサの夏、刈り子たちの収穫に密着――

手つかずの原生林が果てしなく広がる北海道、大雪山系。みじかい夏の間、この雄大な北の大地をクマザサが青々と埋めつくす。旬の季節の到来だ。その天然のクマザサを刈りとる仕事を担うのが「刈り子」とよばれる人びと。7月上旬、その刈り子とともに、大雪山中の奥深くへ――。


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北の大地に、みじかい夏がやってきた――クマザサの夏、刈り子たちの収穫に密着――(2)

クマザサ加工場で収穫用の麻袋を受けとり、出発



大の男の姿が見えなくなるほど丈高く群生するクマザサ。その中へ分け入り、収穫する

大雪山系に育つクマザサは
強靭な生命力の結晶

アイヌ語で「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」とよばれる奥深い土地。それほど太古に近い、美しい大自然が残る場所である。澄みきった空気、ミネラルゆたかな雪どけ水、肥沃な土壌。その恵みを存分に受けたクマザサだけが『北の大地の青汁』の原材料となる。

7月初旬、朝7時。大雪山系のふもとのクマザサ加工場に刈り子はふたりで姿を現した。彼らは安全のため基本的にペアを組んで山に入るのだ。

会うなり駄洒落を飛ばして笑わせる陽気な橋脇悦雄さん(63歳)は刈り子歴5年。がっしりした大きなからだは、まるで熊のごとき迫力だ。いっぽう穏やかな笑顔の伊藤明さん(78歳)は刈り子歴3年。20歳のころとかわらないという若々しい体型、しゃきっと伸びた背筋は年齢を感じさせない。山菜やキノコとりも得意な山の達人だ。

「クマザサは初夏から真夏のいまがいちばんの旬なんだ。でも大雪山の夏はほんとうにみじかい。だから今日もドッサリとらなきゃな!」

そう張りきる橋脇さん。収穫したクマザサを入れる麻袋を積み、山へ向けて軽トラックを走らせる。

「国道沿いにもササは生えているけど絶対にとらない。排気ガスの影響があるからね。それに農薬がつかわれている畑のそばのものもダメだ」

伊藤さんがそう語るとおり、大自然の中で自生するクマザサだけを求めて、軽トラックは山の奥へ、奥へ。

その日の収穫場所は、ふたりで相談して決める。前に見つけた、いいクマザサの茂る場所。そろそろほどよく成長していそうな場所……。長年の経験と勘をはたらかせて向かった場所で車を停め、麻袋を腰にくくりつけて林道を歩く。

「クマザサは7キロから10キロもある長い地下茎を持ってるんだ。だから土壌の養分をたっぷり吸い上げて、力を溜められるんだな。それで枯れずに冬を越せるのさ」

橋脇さんがそう教えてくれると、伊藤さんも言葉を添える。

「厳しい寒さに耐えるだけの栄養を溜め、春にまた滋養を蓄えるから、クマザサはいま、最高に栄養たっぷりなんだよ。青汁にしたら、人間のからだにもいいに決まってるさ」

そんなふうに話しながら歩いていても、ふたりの行動は素早く敏捷だ。いいクマザサが生い茂る斜面を見つけるや、すぐに飛びこみ、猛然たるスピードで剪定バサミを操る。とるべきクマザサを見極めるのに時間はいらない、一瞬だ。

「刈るのは若く青々としていて、ずっしり重みのある葉。それが栄養と食物繊維たっぷりの印なのさ。それに1本の枝に葉っぱが9枚ついていれば最高だ。枯れた部分は青汁の原料にできないから、ていねいに切って落とすし、若すぎる新芽は来月にまわして刈るよ」

そう橋脇さんが言うとおり、大雪山系のクマザサは食物繊維がぎっしりつまって、とにかく厚く、強い。そのササの枝をハサミでパチン、パチンと力強く切る鋭い音が山の中にこだまする。

「ハサミを動かす回数? 1日に3~4万回だろうね。最初は手が痛くなったもんさ。繊維が強くて刃もすぐにナマクラになるから、そのたび研がなきゃいけない」 


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北の大地に、みじかい夏がやってきた ――クマザサの夏、刈り子たちの収穫に密着――(3)

「クマザサは半分刈って、半分は残す。それは山の神さまの分だからね」

光に透けるクマザサの葉。ぎっしりつまった繊維が見える



熊がなわばりを示すため、つめあとを残した木。よく見ると親子連れらしく、小熊のつめあとも下にある



剪定バサミや複数の熊よけの鈴など伊藤さんの大事な腰道具

熊やスズメバチは危険だけど、
同じ大自然に共生する仲間

ク­­­マザサは日本全土に自生するが、ここ北の大地ほど膨大に群生する土地は他に類を見ない。だから、とりつくす恐れはないが、刈り子にはひとつの信条がある。「いいクマザサを見つけても半分だけとって、半分は残す。それは山の神さまの分だから」。自分たち人間は自然の一部を分けてもらっているという謙虚な考えだ。しかし、山は恵み深いだけではない。さまざまな危険も秘めている。

大きなヒグマに出くわすこともあれば、凶暴なスズメバチに刺されたショックで47時間にもおよぶ手術を受けた刈り子もいる。クマザサの収穫はときに文字どおり命がけの仕事なのだ。伊藤さんも腰にいくつも熊よけの鈴をつけているが、意外な言葉を口にする。

「でもね、熊もハチもヘビも人間も同じ自然の中で暮らし、共存してるんだ。だから、こっちが脅かさなければ、むやみに襲ってくるもんじゃない。怖がる必要はないさ」

伊藤さんの言葉に、「そう、自然体が大事なんだ」と橋脇さん。

「俺も熊と鉢合わせしたことがあるけど、グッとにらみ合いながらも、お互い自然にそっと離れていって、なにごともなかったよ」

そう話すうちにもクマザサはどんどん刈られ、腰に下げた麻袋はすぐいっぱいに。1日の収穫は約15キロ入る麻袋で6~7袋・約100キロ、多いときは130キロにもなる。過酷といえる重労働だが、伊藤さんは「いいや」と笑う。


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北の大地に、みじかい夏がやってきた――クマザサの夏、刈り子たちの収穫に密着――(4)

「とにかく山が大好きなんだ。だから、この仕事が楽しくて仕方ない」



ドッサリ収穫できる季節は
旬のいましかない

「子どものころから山が大好きなんだ。だから刈り子の仕事が楽しくて仕方ない。山に入ると元気をもらえるから疲れもしないよ。1日があっという間だ。それに、いいクマザサがこんなにたくさんとれるのは、旬のいましかないからね」

いっぽう橋脇さんもこう話す。

「毎日、このおいしい空気の中を歩いてクマザサを刈る。最高にいい運動さ。だから刈り子にからだの悪い人はいないね。俺は自家製のクマザサ茶も飲んでるから、健康そのもの。風邪ひとつひかないよ」

そう語る彼らがその日の収穫を終え、加工場へ届けるのは夕方の5時ごろ。こうして1日の仕事をやりとげ、ふたりの刈り子は家路につく。そしてまた明日、活力と誇りに満ちて、あの山を目指す。


妙高通信 第105回
『野草酵素』のふるさと、妙高高原からのメッセージ。開発者・近藤堯氏が綴る好評連載。

この3月から北陸新幹線が開業し、最寄りに上越妙高駅ができました。7月の「野草酵素のふるさとを訪ねる旅」には17人のお客さまをおむかえしました。これまで長野駅集合でしたから、ツアーの日程にも余裕ができました。新幹線効果ですね。

わたしがいちばん楽しみにしているのは、大勢のお客さまに直接お会いできること。この事業をはじめたばかりのころは「風評被害」に悩まされたこともあり、在庫を前に対人不信におちいったものです。でもツアーのたびに、これだけ大勢の人びとに支えられ励まされていることを実感でき、いまではわたしの自信の源にもなっているのです。



「メイド・イン・妙高」だからこそ

今回のツアーでは、野草採り名人・石田さんに妙高市の高床山を案内してもらいました。高床山は森林公園やキャンプ場などが整備され、妙高山から直江津あたりまでを一望できます。地元では、野草の種類が豊富な「里山」として人気です。ちょっと歩くだけで、『野草酵素』がなぜここ妙高でしかつくれないかを実感していただけたことでしょう。

「酵素ブーム」といわれる昨今ですが、酵素研究ひとすじに最高の品質を守りつづけてきた身としては、いっそう精進しなければと闘志もわいてきます。


教えて!荒木先生
ドッサリ生活の伝道師・荒木先生がおなかのこと、ドッサリのことをやさしく解説。

食べ過ぎが気になります……

「食事のすこし前にクマザサ青汁を飲んで」


さとみちゃん 先生、ちょっとお茶にしませんか。

荒木先生 クマザサ青汁ね。ゴクゴク。う~ん、おいしい!

さとみちゃん じつは最近ちょっと食べ過ぎちゃって。サンマでしょ、カボチャでしょ、キノコにリンゴ。手が止まらなくて困っちゃう。

荒木先生 あら、食欲の秋ね。

さとみちゃん いつもは夜にクマザサ青汁を飲んでいるけど、おなかがつまったら……と不安になって、最近は1日2回にしたんです。

荒木先生 なるほどね。じゃあ食事のすこし前に、たっぷりのお水でクマザサ青汁を飲んでみて。

さとみちゃん 食事の前?

荒木先生 そう。「食事はサラダから」って言うけど、食物繊維は体内で水分を含んで大きく膨らむの。だから少量でも満腹感が得られるし、消化に時間がかかるから腹持ちもいい。なにより、おなかをそうじしてくれるからドッサリできるのよ。

さとみちゃん さっそく今日から試します! ところで、クマザサにはどれくらいの食物繊維が含まれるんですか?

荒木先生 なんと、センイが豊富で有名なサツマイモの、およそ28倍よ!

さとみちゃん えーっ、28倍!?

荒木先生 栄養が豊富で昔から注目されていたけど、硬いスジが何本もあってそのまま食べるとおなかを壊すほど強いの。そこで開発されたのが「超微粉末加工」。水やお湯にもサッと溶けるくらいサラサラでしょ?

さとみちゃん 最先端技術ですね! いろんな人たちのおかげで、クマザサ青汁が飲めるんだ。


野草のじかん 第26回

南天葉[ナンテン葉]



メギ科ナンテン属
生薬名:ナンテンヨウ(南天葉)



関東以西、四国、九州にかけて自生する常緑低木。耐寒性に優れ、冬になっても葉が枯れることはない。

幹の先端に葉が集まり、初夏には白い花を咲かせ、晩秋から初冬にかけて真っ赤な実をつける。その独特な姿かたちから、観賞用として広く親しまれている。

音が「難を転ずる」に通ずることから縁起のよい木とされ、火災よけや魔よけとして玄関前に植えるとよいという言い伝えがある。

葉は生薬として用いられ、鎮咳、健胃、解毒などの薬効がある。また防腐作用があることでも知られ、彩りを兼ねて赤飯や魚料理に添えられる。


妙高の野草採り名人
石田さんのひと言

「咳止めの生薬として有名だね。怪我をしたときやハチに刺されたときには、葉をよく揉んで、汁を傷口に塗ると痛み止めにもなるんだよ」


医者にかかる前に腸に聞け! 第6回

善玉菌を増やすには発酵食品をとりなさい

「納豆」「味噌」は
老化を防ぐ万能食

加齢にともなって善玉菌が減少し、悪玉菌が勢力を拡大。腸内フローラは乱れてしまう。積極的に発酵食品や食物繊維をとり、からだを若返らせよう
出典:『腸内細菌の話』光岡知足(岩波新書)より作成



残暑がつづきますが、みなさん、夏バテしていませんか? 疲れが出やすいいま、ぜひ腸の声に耳を傾けてください。

さて前号では、「悪玉菌が増えると病気になるので、善玉菌を優位に」とお伝えしました。となれば答えはひとつ。さっそく、善玉菌を増やしましょう。

いちばん効果的なのは「発酵食品」を食べることです。味噌や醤油、納豆、ぬか漬け……。どれも日本で昔から食されてきた、わたしたちにも身近なものですよね。発酵食品は善玉菌を増やし、免疫力を高めてくれるのです。

なかでも若返りに効くのが「納豆」。納豆菌は非常に強いので生きて腸まで届き、そのまま棲みつきます。あのネバネバには血糖値を下げる、血栓を溶かすなどたくさんの健康作用があります。

「味噌」もまた、優れた食品ですね。手軽につくれる味噌汁に野菜や海草類を入れればバッチリ。麹菌が腸内細菌を活性化し、強力な抗酸化作用を発揮してくれます。

そして忘れてはなりません。発酵食品にはからだに不可欠な酵素もたっぷり。まさに、若返りと長寿を兼ね備えた万能食といえるでしょう。



死んだ善玉菌も
腸をピカピカにしてくれる

ただし、食事で意識的に善玉菌を食べても、すべてが生きて腸に届くわけではありません。ここで、ヨーグルトをイメージしてみてください。

最近は「生きたまま腸に届く」と宣伝する商品を目にしますね。しかし、乳酸菌やビフィズス菌は胃酸に弱く、腸の手前で9割が死滅。生き残れても、ほとんど腸に棲みつかずに便として排出されてしまうのです。

「せっかく毎日食べてきたのに」と落胆した方もいるでしょう。でも、ご安心ください。死滅した菌は役立たずかというと、それはノー。むしろ死んだ菌は腸にいる善玉菌のエサとなり、善玉菌自体を増やします。そのため、ヨーグルトを食べていると確かに善玉菌は増えてきます。とはいえ気をつけたいのが、糖分や脂肪分です。中高年ならなおのこと。わたしもじつはヨーグルトは食べません。

伝統的な発酵食品なら賢く善玉菌を増やせます。ただし、「もどき品」にはご注意を。大量生産品のスーパーの味噌は強制的に熟成させたり、添加物で品質を整えたものばかり。良質な善玉菌を得られないだけでなく、腸内細菌をも傷つけるので避けるべきです。

手間はかかりますが、味噌蔵から直接とり寄せたり、ご家庭でぬか漬けをつくってみてください。その方が断然おいしく、腸も大よろこびしますよ。

以前、藤田先生がパックのぬか漬けを購入したところ、調味料で味付けしただけのものでがっかりした経験があるそうです。みなさんも思いあたる節はありませんか? 今日からは商品を手にとるときも、腸と相談してみましょう。


病気知らず冷え知らず 第1回

なぜ、日本人の体温は下がりつづけるのか

快適さと引きかえにからだは冷えていく

「36.9℃」は微熱か、平熱か――。この数字はなにかというと、1954年初版の『医学大辞典』で発表された当時の日本人の平均体温。しかし、冒頭の問いに「微熱」と答えた人は多いのではないだろうか。

わたしたちの体温は年々下がりつづけ、最近では35℃台も珍しくない。しかも、健康的な体温といわれる36.5~37℃に達していない人が大半だという。自覚はなくてもからだは冷えている、いわゆる「隠れ冷え症」が蔓延する時代だ。

家電の普及や交通機関の発達、食の欧米化など、ここ50年でわたしたちの生活は劇的に変化。皮肉なことに、この便利な暮らしは熱を生みだす筋力や体温調節能力を徐々に奪っていった。いまや、子どもや若い男性までも冷えているというのだから、筋肉量や新陳代謝が低下した高齢者であればなおさらだろう。



冷えると酵素がムダに!? 病気のリスクも次々

自覚のない「隠れ冷え症」ほど怖いものはない。

からだが冷えると、免疫力は低下。毒素を含んだ冷たい血液が全身をめぐり、心臓病や脳梗塞といった深刻な病気を招く。また、一般的にがん患者の体温は35℃台が非常に多いという。

さらに、わたしたちの生命活動に欠かせない「酵素」。これは36.4℃以下になるとはたらきが弱まってしまう。つまり、どんなに酵素をとり入れたとしても、隠れ冷え症だと酵素不足に陥り、気づかぬうちに、さまざまな病気をよび寄せる。冷えは決してあまく見てはいけない。

そこでいま注意したいのが「秋の冷え」。クーラーなどの夏の習慣でからだは深部から冷え、体温を上げる力が低下。朝晩の寒暖差についていけず、冷えは悪化するいっぽうなのだ。

冷え切ったからだで冬をむかえるなんて想像するだけで恐ろしい。しかし、いまならまだ間に合う。とにかくまずは体温を測り、「冷え」を意識することからはじめてほしい。