野草だより
125号
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特集 

輸入か、国産か?
――世界中から「おとりよせ」。日本人の食卓を考える――

左右の写真と数字を見てほしい。これは、それぞれの食材の国内生産量を国内消費量で割ったもの、すなわち食料自給率を表している。米こそ自給率100%だが、ほかの食材の多くを外国から輸入しているのが見てとれる。

かつては舶来品とよばれ、希少なものだった輸入品がここまで浸透した理由はなにか? それを探りながら、わたしたちの食の現状を追い、そのゆく先を読む。



※農林水産省ホームページ「クッキング自給率」より計算
※特集の食料自給率はすべてカロリーベース


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輸入か、国産か? ――世界中から「おとりよせ」。日本人の食卓を考える――(2)

日本は自給率向上の対策費として年間3000億円もの予算をかけているが、数字は低迷。ほかの先進国とは対照的だ
出典:農林水産省ホームページより



1947年に全国ではじまった学校給食はパンが主役。パン食文化を浸透させ、小麦の販路を開拓しようというアメリカの意図が透ける

日本の主食は、いまやパン。
食文化の変化で輸入も増

輸入品なしに、和食をつくることはむずかしい――。こう聞くと、驚く人も多いだろう。しかし、前ページに示したように、納豆や醤油の原料である大豆や、ヒジキ、ゴマなどは大半が海外産だ。これが和食以外になると、もともと国内でとれない食材を使用する分、輸入品の割合はさらに上がる。表紙のイラストのような、「米以外はみな輸入品」という献立も極端な話ではない。事実、日本の食料自給率はわずか39%。先進国のなかでも極めて低い水準だ。

この自給率、じつは1961年の時点では78%あった。それがここまで低下した理由はなにか。輸入自由化や減反政策など政治の影響もあるが、最大の要因は「消費者の選択」にほかならない。

主食の選択を例にとってみよう。戦後、海外文化への憧れや簡便性からパンやパスタを選ぶ人が増えた。2011年には1世帯あたりの米とパンの消費額が逆転。原料の小麦は北海道や九州でも生産されてはいるが、消費量の約9割は輸入品。パンやパスタを食べるほど自給率も下がる仕組みだ。

そして、わたしたちは安さを求め輸入品を選んできた。現に、あるスーパーでは国産のサーロインステーキ肉が100gあたり498円に対し、オーストラリア産は239円。半額以下という圧倒的な安さだ。消費者の節約志向は外食や持ち帰り弁当などの中食にもおよび、それらを製造する企業もコストを削減できる輸入品を多用することになった。

食文化の変化と、安さの追求。このふたつを背景に、わたしたちは食材の6割を海外に頼る現状をつくりだしたのだ。


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輸入か、国産か? ――世界中から「おとりよせ」。日本人の食卓を考える――(3)

小麦や大豆、野菜などの農産物の輸入額は5兆4419億円(2012年度)。日本は世界有数の食料輸入国だ

中国産野菜、BSE……
事件がもたらしたもの

食料の大半を輸入でまかなうことは、危険もはらむ。なぜなら、輸入品はひとたび輸出国に問題が起きれば、かんたんに供給が断たれる不安定なものだからだ。

たとえば、昨年10月下旬にアメリカ西海岸で港湾労使交渉がはじまった影響で船便が滞り、国内のファストフード店でジャガイモ加工品が不足する事態が起きた。店先に掲げられた「ポテトのMサイズありません」という張り紙をニュースで見た読者も多いだろう。また、2002年には中国産の冷凍ホウレンソウから基準値を大幅に超える農薬が検出され、翌年にはBSE(牛海綿状脳症)に感染した肉牛が見つかってアメリカからの牛肉輸入が止まり……ときりがない。

これらの事件は、わたしたちが輸入品に頼ったままではいつ食料不足に陥っても不思議ではない、と語りかける。この点は国も危惧しており、自給率を引き上げようと莫大な予算がかけられている。

では、じっさいの消費者の動向はどうか? 東京の大崎駅近くで65年間営業をつづける石井青果店の店主に聞いた。

「輸入品の事件が多発した十数年前から、『海外産はなにが起こるかわからない』と国産に回帰する流れが強くなりました。もっとも、ホテルやレストランに卸す同業者は、あいかわらず安い輸入ものばかり売れると言いますが」

国が自給率の向上を叫ぶいっぽう、消費者は政治的な思惑とは別に、みずから国産を選びはじめているのだ。



輸入が増えたもうひとつの理由

「賞味期限が切れた」「口に合わない」などの理由で食べずに捨てられる食品は、年間1700万トン。日本が1年に輸入する食料5800万トンの3割にあたる量を廃棄している計算になる。「お残し」の多さも輸入を増やす一因であり、これを減らすだけで食料自給率は上がるといわれている。



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輸入か、国産か? ――世界中から「おとりよせ」。日本人の食卓を考える――(4)

その時期ならではの作物が並ぶ青山ファーマーズマーケット。新鮮で栄養豊富、味もよい「旬のもの」を選ぶのは、賢い選択のひとつ。国内の農家を支えることにもつながる



「おいしいものにはお金を惜しまないフランスへの輸出を計画中」と潮田氏

限られた家計のなか、
選ぶのは輸入か、国産か?

そんな国産への需要の高まりを受け、いま支持を集めているのが、東京・表参道で開かれる「青山ファーマーズマーケット」だ。農家が直接野菜などを売るこの催し、スーパーの値段より高い商品も多いが、それでも毎週土日だけで3万人を集める。

出店者の潮田武彦氏(39歳)は、品質と価格についてこう話す。

「うちのニンジンは、子どもが試食をおかわりするほど味がいいですよ。1袋400円でもよく売れます。そこまでの味を出せるのは、手間をかけているから。もし、1袋200円のスーパーの価格に合わせるとなると、手間を減らすために農薬を大量につかうことになる。それでは味も知れています」

たとえ農薬をつかい生産性を上げても、採算ギリギリか赤字となるそう。「安ければいい」という消費者の考えが作物の味を落とし、農家を廃業に追いこむのだ。

国産への意識が高まるなか、つくり手がいなくなっては意味がない。国内の農業や漁業、畜産業を下支えする意味でも、ていねいにつくられたものは積極的に手にとりたいものだ。

けれど、食にいくらでもお金を出せる人はまれだ。わたしたちは、値段や品質などさまざまな要素の間で揺れながら、なにを選べばよいかと悩んでいる。

輸入か、国産か? 安さを基準に選ぶ時代から変化しつつあるいまこそ、値段や原産国で単純に判断せず、自分なりの価値基準を持って選びたい。そのためには、食品そのものや表示をよく見る、どこの誰がつくったものかを考えるなど、見る目を養うことが大切だ。

選ぶのは、ほかでもないわたしたち自身なのだから。



外食産業の挑戦

コスト優先の外食産業も、食材の原産国を見直す動きがある。長崎ちゃんぽんを提供する(株)リンガーハットは、売上低迷を脱するため創業時のおいしさにもどすと決め、2009年に野菜の国産化を実施。商品単価は40~100円の値上げとなったが、輸入された冷凍野菜には出せないシャキシャキ感や味のよさが人気で、客数・売り上げとも大幅に伸びている。



妙高通信 第103回
『野草酵素』のふるさと、妙高高原からのメッセージ。開発者・近藤堯氏が綴る好評連載。

「……朝(あした)には紅顔ありて、夕(ゆうべ)には白骨となれる身なり。」(蓮如上人御文)

昨年末、妻に先立たれました。彼女は毎朝、わたしを会社に送りだし、家事を終えて朝風呂に入るのを楽しみにしていたのですが、その日が最期となりました。わたしの年齢ともなると人との別れも多く経験していますが、もっとも身近な妻の死はあまりにショックでした。年末年始の仕事をいっさい辞め、喪に服しました。102回、一度も休まずに連載してきた『妙高通信』を休載したのには、こんな私的な事情がありました。



身辺の話題を、ありのままに

この通信では、酵素研究の現状や製品開発までの労苦、つくり手としてのこだわりを中心に語ってきました。だいたいの内容はお伝えできたかと思いますし、この姿勢は今後もかわりません。しかし、取材を受けたりカメラを向けられることに慣れるにしたがって、どうも面映さが残ります。「こんなに格好いいばかりではないぞ」という思いです。誌面のわたしは、まるで別人のような気がしないでもない……。

掲載スペースは半分にしました。これは通信の内容をかえていくいい機会かもしれません。わたしも一個の高齢者。身辺のことなどにももっとふれながら、妙高通信の第2弾をつづけてみたいと思います。


なるほどナットク引き算健康法 第14回

トランス脂肪酸は百害あって一利なし

トランス脂肪酸という物質をご存じだろうか。心疾患や発がんのリスクを高めると指摘されており、アメリカをはじめとした各国では使用が規制されているが、日本では……。

トランス脂肪酸とは?
硬化油(マーガリンやショートニング)に多く含まれる、おもに油脂の加工過程で形成される脂肪酸の一種。一部では「食べるプラスチック」と揶揄され敬遠されているものの、日本ではいまだ使用が規制されておらず、さまざまな食品に含有されている。

日本では表示義務すらなし!リスクを知り、ひとつずつ引き算を

コレを置きかえて引き算!

マーガリン、ショートニング → バター
クロワッサン → ロールパン
コーヒーフレッシュ → 牛乳
クッキー → クラッカー

そのほか、和食中心の食生活を心がけることで摂取量を大幅に減らすことができます

あなたは大丈夫?
トランス脂肪酸の足し算チェックシート

  • □パンにはマーガリンをたっぷりつける
  • □ケーキやクッキーをよく食べる
  • □コーヒーには必ずコーヒーフレッシュを入れる
  • □ファストフードをよく利用する
  • □ついつい脂っこいものに手が伸びてしまう
  • □洋食を食べることが多い

3つ以上あてはまる人は、過剰な足し算の可能性大!


野草のじかん 第24回

蕺草[ドクダミ]



ドクダミ科ドクダミ属
生薬名:ジュウヤク(十薬、重薬)



湿り気のある場所を好み、日本全土の陰地に自生する多年草。茎は分岐して、やや赤味を有し、無毛。葉は特有のにおいを発する。

一見、4枚の花びらに見える白い部分は、つぼみを包む苞葉の一部。その中央で黄色い穂状の花を梅雨時季に咲かせる。

毒を矯める(=矯正する)ことから「ドクダメ」とよばれたのが名の由来。その解毒作用から、健康茶の原料としても用いられる。

消炎、毛細血管強化、便通改善、利尿など効能は多岐にわたり、江戸時代に記された『大和本草』には「十種の薬の能ありて十薬となす」とある。


妙高の野草採り名人
石田さんのひと言

「とてもたくましい植物で、根を切ってもそこからまた生えてくるよ。昔はよく火傷したときに、ドクダミを揉んでつけていたね」


医者にかかる前に腸に聞け! 第4回

健康になりたければ、腸にも水を飲ませなさい

からだは水でできている。
不足すると老化・病気に

起き抜けの1杯は水分補給のほか、便通をうながす作用も。冷たい水はからだを冷やすので、腸がよろこぶ常温で「ちびちび」と飲みましょう



これで塩素のにおいや有害物質をある程度とり除けます。さらに木炭に含まれるミネラルが溶けだし、まろやかでおいしい水にかえてくれます

みなさん、水は飲んでいますか? わたしは水が大好きで、おいしい水を飲むと喉だけでなく、腸や肌、そして心までうるおうのを感じます。しかし、日本人は「水を飲む」ことをあまり意識していないように思います。

わたしたちのからだの7割は水分です。そのはたらきは、老廃物の排出や便通促進、血液の循環など多岐にわたります。しかし残念なことに、からだの水分量は加齢とともに減少してしまうのです。

では、水分が不足するとどうなるか。汗や便として排出されるはずの老廃物が体内にどんどん溜まっていき、腸内環境は悪化。悪玉コレステロールや中性脂肪の数値が高くなり、血液もドロドロに汚れ、血管はもろく、硬くなっていきます。つまり、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などの危険性がグンと高くなってしまうのです。

自分は大丈夫――そんな方こそ要注意。1日に必要な水分量は1・5~2ℓと結構な量ですし、緑茶やコーヒーなど利尿作用のあるものは補給にはなりません。しかも、歳を重ねると喉の渇きに気づきにくく、いつの間にか水分不足に陥っている可能性があるのです。



効果的な水の飲み方を
お教えします

若さを保ち、病気知らずになるためには、なにより「水を飲むこと」。こんなにかんたんならば、実践しない手はありません。

まずは、いつ飲むか。とくに就寝の前後は欠かさずに。睡眠中は呼吸や発汗で大量の水分が失われます。明け方に脳梗塞が起きやすいことはご存じですか? それは水分不足で血管がつまってしまうから。水には利尿作用がないので、寝る前に飲んでも大丈夫。むしろ、その1杯は「宝水」とよばれるほど重要です。そして朝起きたときもすぐに1杯飲み、からだにうるおいを与えましょう。

次に、どう飲むか。わたしが実践しているのは「コップ1杯のちびちび飲み」。一度にたくさんの水を飲むと腸は嫌がります。ゆっくり吸収できるよう、ひと口ずつ腸に飲ませてあげてください。

最後に、どんな水を飲むか。身近な水といえば水道水ですね。なかにはおいしく飲める地域もあるようですが、水道水をそのまま飲むのはよくありません。なぜなら、多量の塩素やトリハロメタンなどの有害物質が含まれ、人体への影響も報告されているからです。

そこで今回は、水道水を安全でおいしくする方法をお教えしましょう(※イラスト参照)。このひと手間でカルキ臭や雑味が消え、感心するほどの水になるのでおすすめです。

からだによい水を正しく飲めば、ずばり、腸は元気になります。さあ、今日からさっそくはじめてみましょう。

水の飲み方ひとつで健康になれる、なんて驚きですね。就寝前の「宝水」、ぜひ習慣にしたいものです。都度意識するのがむずかしい方は、健康食品を飲むときに水を多めにするなどして、腸に水を飲ませてあげましょう。