野草だより
126号
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精進料理に学ぶ食の引き算
−−鎌倉、不識庵で出会った「日本人のための食事」−−

精進料理と聞くとどんなものを思い浮かべるだろうか? 味が淡白、見た目は地味、肉や魚を食べてはいけないなど制約が多い、なにより敷居が高い……。世間ではいささか近寄りがたいイメージを持たれているようだ。しかし戦後、「飽食」への道をひた走った日本人が失ってしまった大切なものが精進料理にはあるのでは−−? そう語るのは若き精進料理家、藤井小牧さん。彼女の実家、鎌倉は稲村ガ崎に佇む山庵、不識庵を訪ねるとちょうど小正月のもてなしに腕を振るっていた。


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精進料理に学ぶ食の引き算 −−鎌倉、不識庵で出会った「日本人のための食事」−−(2)

精進料理研究家 藤井小牧さん
1977年 神奈川県生まれ。精進料理研究家、食養指導士。父は僧侶で精進料理家の故藤井宗哲さん、母は精進料理家の藤井まりさん。食育関連のワークショップ、子ども・妊婦の食事指導、講師などの活動を展開。発酵食品の研究もおこなう。今年、東京秋葉原に「こまきしょくどう 鎌倉不識庵」を開店。著書:『まあるい毎日』



鎌倉駅近くの市場にて朝の買い出し。並ぶのは地元でとれた旬の野菜ばかり



鮮やかに色づいたカラフルファイブというハツカダイコンの一種



海外でも講習を開催。こちらはフランスで野菜をつかった精進寿司を教える風景



「小さいころから自宅の庭に植わっていた」(小牧さん)という柚子の木から今日つかう分を収穫



軒先にはトウガラシが。収穫のすくない冬場は乾物が貴重だ



年季の入ったすりこぎでゴマをする。精進料理ではゴマが貴重なタンパク源になる

精進料理は華やかでおいしいもの

−−最近にわかに注目を集めているとはいえ、多くの人にとって精進料理はまだまだ馴染みが薄いです。いまあらためて普及につとめる理由はなんでしょうか?

わたしは両親とも精進料理家という特殊な家庭に育ち、周囲の人にはよく「精進料理っておいしくなさそう」とか「茶色い」とか、果ては「正座して食べなきゃいけないんでしょ?」なんて言われつづけてきました(笑)。だからまずそれをかえたかったというのがあります。

確かに動物性の食品はつかいませんし、素材は地味といえば地味。味つけも淡いので、現代では浮いた存在かもしれません。けれど精進料理が発展しはじめた鎌倉時代、庶民がなにを食べていたかといえば、やはり野菜、豆類、穀類に魚を足した程度でしょう。ただお寺というのは「守られた」特殊な場所なので、たまたま歴史がかわっても同じものを食べつづけていただけなんです。

−−なるほど。むしろ現代の食べものの方が不自然だと。

ええ。それにかつての日本食がただ素朴で貧しいものだったとは思えません。精進料理には「五味、五色、五法」という言葉があって、じつは華やかで味も多彩。つくり方だって工夫に富んでいます。それと同じように日本人の食べてきたものは、ほんとうの意味でゆたかなものだったはず。添加物や農薬にまみれて素材の味もわからない現代の食事とくらべればなおさらです。



精進料理とは

仏教では僧は殺生が禁じられており、お布施として野菜、穀類、豆類を工夫した料理が発達した。日本では鎌倉時代に道元禅師が中国に留学し、禅寺の食事法や心構えにみずからの考えをプラスした『典座教訓』を著したところから、思想としても発展。一汁一菜を基本とし、素材の味を活かした淡い味つけが特徴。動物性食品のほかネギ、ニラ、ニンニクが禁じられている。なお典座とは禅寺で台所を担当する僧侶のこと。


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精進料理に学ぶ食の引き算 −−鎌倉、不識庵で出会った「日本人のための食事」−−(3)

昆布だしで煮られたサトイモ。待ってましたとばかり甘い香りが台所に立ちこめる



小牧さんの母、藤井まりさん。ご主人の故藤井宗哲さんと不識庵で精進料理教室「禅味会」を開いて30年。「食べものは人の手から手へと伝えられてくる。それに感謝して『いただきます』と手を合わせるのよ」と教えてくれた

日本人のからだに合った「日本人型栄養学」

−−確かに今日のお料理も彩り鮮やかでおいしいです。はるか昔に確立されたものなのに、栄養のバランスがよいことにも驚きました。

栄養学的にどうこうというのはあまり考えていなくて、カロリー計算もしたことがありません。そもそも現代の栄養学は明治時代に軍隊をつくるとき、ドイツからとり入れたもの。だからタンパク質も多いし、日本人にはあまり合っていないように思います。

食べものには栄養学の理屈では計れないことがまだまだたくさんあります。旬の野菜のもつエネルギー、醸造の旨み、そして発酵食品のちから。昔の日本人はそうしたことをすべて経験的に知っていたんです。わたしはこれを「日本人型栄養学」と名づけています。

−−それは興味深い。しかしわたしたちは戦後、欧米食を歓迎し利便性を追い求めてきました。結果“飽食”と言われ生活習慣病も蔓延しています。

戦中戦後に育った方々は食に関してつらい経験をたくさんしてきたと思います。だからその方たちを責めることはできない。一所懸命健康になろうとして図らずも「足し算」をつづけてしまっただけなんです。逆に最近若い人たちが素直に精進料理に興味を持ってくれるのは、飽食の時代に産まれたから。ていねいにつくられた食べものに飢えているんでしょう。

−−いずれにしろ食の「引き算」が求められているということですね。

そうだと思います。


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精進料理に学ぶ食の引き算 −−鎌倉、不識庵で出会った「日本人のための食事」−−(4)

今朝仕入れたハツカダイコンをサラダ用にスライス。「精進料理は地味」などといったい誰が言ったのだろう



これは秋にとれる菜の花でオータムポエムという。新しい野菜も積極的につかうのが不識庵流だ



小正月(別名:女正月)の献立は、「小豆粥」、「れん餅の白味噌仕立て」、「サトイモのとも和え」、「ホウレンソウと菜の花の海苔和え」にぬか漬けとサラダ。



小牧さんの父、故藤井宗哲さん。食に関する数々の名著を残した。「喜心 老心 大心」とはいつなんときも同じ心で料理をせよとの意

いますぐ実践できる食の引き算とは

−−とはいえ明日から精進料理をつくろうというのは正直敷居が高いです。いますぐできる引き算の方法はないでしょうか?

あります。そもそも精進料理の本質は、旬の食材に感謝し工夫を凝らしていただくこと。お寺ではダイコンしかとれない季節には、今日は身、明日は皮と知恵をしぼって毎日味を楽しみます。捨てる部分も減って一石二鳥です。道元禅師(*1)もレシピは残していなくて、季節の素材とどう向き合うかという心の部分だけを書いていました。精進料理はアイデア料理なんです。

つまりガマンするのではなく、ちょっと工夫をすればいい。具体的には、やはりまず旬の食材を選ぶこと。献立を考えてから買いものにいくのではなく、お店にいって店員さんに「どれが旬?」と聞いてみてください。時季のものは味も深く余計な調理も要りません。

あとは調味料をかえてみる。いまは色々な合成調味料がありますが、ほんとうにおいしい醤油やお酢をつかえば、それだけで素材の味を引きだせます。こうした些細な工夫を父は、「料理を通じた心のうるおい」と表現していました。

−−うるおい! そう考えれば引き算も楽しいですね。いますぐ実践できそうです。

毎日すこしずつ心がけるだけで食に対する意識はかわります。結局、余計な足し算をしないシンプルな食べ方というのが日本人にはいちばん合っているのだと思います。

−−本日はおいしいお料理と貴重なお話、ありがとうございました。

*1 日本における曹洞宗の開祖。精進料 理の古典、『典座教訓』を著した。


妙高通信 第96回
『野草酵素』のふるさと、妙高高原からのメッセージ。開発者・近藤堯氏が綴る好評連載。

『野草酵素』のふるさと妙高高原の冬は、大地にちからを温存する休息期間です。

妙高高原の大地は、芽生えの季節に向けお休み

大自然のなか、化学肥料や農薬とは無縁な世界に生きる妙高高原の野草たち。もちろん病気や害虫の被害とも無縁だ

新しい年がはじまり、妙高高原の寒さと降雪は厳しさを増します。ミヤトウ野草研究所では朝の雪かきに追われる日々。野草の生育には冬期の雪量が多いほどいいので、ドカ雪はうれしいことですが、痛しかゆしですね(笑)。

妙高高原の山中では、いのちが躍動する春夏とはうってかわり、静寂に包まれています。白一色の世界は、人をよせつけず寒々しい。そんな中、雪に埋もれた大地は春の芽生えのためにじっくりとちからを蓄えているのです。

さて、農作物の栽培でも大地の状態がもっとも大切です。野菜の出来は、地力に依存する。畑では一度収穫を終えたら、その農地では半年から数年は放置した方がいいのはご存じでしょう。土地を休ませ、地力を養う。昔からあたり前のように行われてきたことです。

しかし、戦後の食糧難が状況をかえます。はやいサイクルで安定かつ効率的に作物を得るため、土地を消毒、化学肥料や農薬がくりかえしつかわれる。すると土地はみるみるちからを失い、作物本来の強さも危うくなってきました



自然に対して抗うことの大きな弊害

とはいえ、効率栽培のおかげで日本人は食糧難を克服して、経済発展をとげたという面もあります。ただ、その便利さの代償はあまりにも大きい。

化学肥料や農薬の使用は、土中に棲む微生物を駆逐してしまいます。植物の成長を助ける微生物がいなくなり、栄養は化学肥料頼み。病気・害虫にも弱く農薬もやめられない。さらに継続使用で、既存の農薬に耐える新たな病害虫の脅威を生みだす恐れもある。自然に抗った薬頼みの弊害は、はかりしれないのです。

いっぽう有機野菜に代表されるような、化学肥料や農薬にあまり頼らない作物が見直されています。また『野草酵素』の原料の野菜やくだものは、わたしが全国をまわり、栽培方法をこの目で確かめた安心なもの。これらは、自然によりそって育てられた作物で、野菜の濃い味はなつかしさを感じ、生命力にあふれています。

そして理想的な自然サイクルのなか育つ究極の生き物は、妙高高原の野草たちでしょう。清浄な地になすがまま生きる彼らに、不思議なちからが宿るのも納得です。


教えて!荒木先生
ドッサリ生活の伝道師・荒木先生がおなかのこと、ドッサリのことをやさしく解説。

寒くなると途端につまりがちに……

「冬場は水分不足を疑ってみて」


さとみちゃん ぶるっ……!
今日も寒いですね、先生。

荒木先生 冬本番ね。おなかの調子はどう?

さとみちゃん それが最近どうもつまりがちで。青汁も飲みつづけるとからだが慣れてしまうのかな。量を増やした方がいいですか?

荒木先生 いいえ。クマザサ青汁は食物繊維のちからでおなかを健康にするものだから、からだが慣れるなんてことはないわ。それより冬は乾燥に要注意。さとみちゃん、水分は意識的にとってる?

さとみちゃん 夏はゴクゴク飲んでいたけど冬はあんまり。それに車で外出するときや夜寝る前は、トイレが近くなるのが怖いんです。

荒木先生 気持ちはよくわかるわ。とくに女性はからだの構造上ガマンをしづらいのよね。でも冬は空気が乾燥しているから、思いのほか体内が水分不足になっているの。そしてこれはおなかにとって大問題なのよ。

さとみちゃん えー、そうなんですか?

荒木先生 毎日スルスルッと出すためには、適度な水分が必要なの。でもおなかが水分不足に陥っていると、自ずと「出すもの」もカチカチに乾いて固くなってしまうのよ。これでは食物繊維もちからを発揮できないし、当然つまりがちになるわ。

さとみちゃん なるほど納得! でも寒い時季ってノドが渇かないのよね……。

荒木先生 夏場と違ってからだが「渇き」に気づきにくいのよ。だからこそ意識的に水分をとって欲しいわ。とくに夜寝る前と朝目覚めた直後は、必ずコップ一杯の水を飲んで! 睡眠中は思いのほか乾燥して、血液がドロドロになってしまうの。

さとみちゃん 怖~い……。

荒木先生 コツは常温の水か白湯を時間をかけてちびちび飲むこと。吸収がいいし冷え予防にもなるから、トイレが近くなる心配も軽減されるわ。

さとみちゃん わたし冷え性だからぴったりかも。

荒木先生 やっぱり! 「冷え」はトイレが近くなる大きな原因なの。水分をとらないと代謝が悪くなって、冷えもますます悪化しちゃう。つまり、からだを温めるためにも毎日ドッサリするためにも、賢い水分補給がとっても大事。あとは適度な運動も忘れずにね。

さとみちゃん はーい。じゃあクマザサ青汁も白湯で飲もうかな。

荒木先生 それがいいわ。わたしのおすすめは「青汁の白湯割りハチミツ添え」よ。

さとみちゃん おいしそう! さっそく今日から試してみます♪ 




なるほどナットク引き算健康法

清潔志向が招く悪循環

日々高まる清潔志向。過剰な除菌生活は病原菌だけでなく、生きるために必要な常在菌までも排除してしまい、かえって不調に弱いからだをつくるという悪循環を招いている。

いきすぎた除菌は本末転倒、かえって深刻な不調を招く原因に!

【今後の課題】

過度な除菌に励んでいませんか?
ほんとうに必要なものなのか、ひとつひとつ見直してみて!

あなたは大丈夫? 清潔志向の足し算チェックシート

  • □1日に3回以上“石鹸で”手を洗う
  • 除菌」「抗菌」の文字がないと衛生面が不安
  • □ドアノブやつり革などにふれたくないと思う
  • □除菌ティッシュは必需品
  • □外出先の洋式便器に座れない
  • □四六時中、部屋の空気清浄機が動いている

3つ以上あてはまる人は、過剰な足し算の可能性大!