野草だより
医者にかかる前に腸に聞け!
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医者にかかる前に腸に聞け! 第18回

ほどほどの運動が長寿遺伝子を「オン」にする

ゼイゼイと疲れる運動は
腸も大嫌い!?

運動不足を解消しようと一気にからだを動かすと腸も疲弊し、免疫力は低下。毎日すこしずつ、ほどほどの運動を習慣にして免疫力を上げよう

出典:Pedersen.et al.1998より作成



秋といえば、みなさんはなにを思い浮かべますか? わたしは「スポーツの秋」。暑さも落ち着いてくるこの時季は、からだを動かす絶好のシーズンです。最近はウォーキングやラジオ体操、畑仕事などを日課にしている方も多いと聞きます。

わたしも通勤時に20分ほど歩いたり、休日にはゴルフを楽しみます。もちろん、若々しい体型を保ちたいという思いもありますが、いちばんは愛しい腸を「目覚めさせる」ため。

運動不足になるとからだが冬眠状態になり、腸内細菌もウトウトしてはたらきが衰えてしまうのです。病気知らずで若々しく過ごすためにも、からだを動かして腸が活発に動ける環境を整えてあげることが大切です。

とはいえ、ジョギングや筋力トレーニングのようなゼイゼイと息が切れる運動を習慣にするのはつらいですよね。ご安心ください。じつは腸も、疲れることは大嫌い。疲労によって体内に発生する活性酸素やストレスが悪玉菌を増やし、免疫力も低下してしまいます。

散歩やストレッチといったほどほどの運動がもっとも腸を元気にします。さらに、あまり知られていないすばらしいメリットもあるのです。



中高年だけが得られる
ある特権とは?

運動が健康にいいのはいまや常識ですが、じつは近年、ある画期的なはたらきをする遺伝子が活性化することがわかってきました。それが「長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)」です。

いま世界中の研究者が競うように研究を進めていますが、注目すべきは臓器の細胞を修復し、若返らせる作用があること。消化・吸収、解毒、免疫、ホルモンの合成……とはたらきづめの腸を老化から守ってくれるのです。しかしふだんは細胞の中で休んでいるため、筋肉を収縮させることでスイッチが入るというわけです。

長寿遺伝子を活性化させるには、さらにもうひとつ条件があります。それは、「50歳以上である」こと。

人間のからだは50歳を境に生理機能が大きく変化しますが、そのタイミングで長寿遺伝子がはたらきはじめるのです。つまり、若い人がいくら運動をしても、その恩恵は受けられない。中高年だけに与えられた特権ですから、活用しない手はありませんね。

また足腰が弱い方は無理をせず、いつもより大股で歩いたり椅子に座っているときに足踏みをするなど、日常の動きにすこし負荷をかけてみましょう。リラックスした気持ちでからだを動かすことが、腸を元気にするのです。

からだを動かすと気持ちがいいですよね。じつはその爽快感は、腸内細菌が活発になり「幸せホルモン」を出している証だそうです。幸せな気持ちが腸をさらに元気にさせる、まさに好循環ですね。