野草だより
医者にかかる前に腸に聞け!
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医者にかかる前に腸に聞け! 第21回

たった1日でボロボロになる「小腸」に栄養を与えなさい

わたしたちの健康を支える
縁の下の力持ちとは

乾物は水分が飛んでいる分、うま味が凝縮されている。野菜は色やハリツヤがいいもの、魚は新鮮なものを選ぼう



太陽が照りつける季節になりましたね。海水浴などでこんがりと日焼けをしたあと、ポロポロと皮膚がむけるのを誰もが経験したことがあるでしょう。これは「新陳代謝」といい、古い細胞が新しく入れかわるために欠かせない機能。じつは同じように体内の組織でも新陳代謝がおこなわれています。

その周期は部位によってもさまざま。たとえば筋肉や肝臓は1〜2ヵ月、血液は4ヵ月、全身の骨の細胞が入れかわるのは3年もかかります。では腸はどれくらいかというと、なんとたったの1日! 多忙な腸は粘膜がすぐに傷むため、毎日生まれかわる必要があるのです。

なかでもいちばん傷みやすいのは「小腸」。病気を発症しやすい大腸の陰に隠れがちですが、免疫、消化・吸収、ホルモン合成などの大役を一手に引き受け日々重労働をこなす縁の下の力持ちです。

そんな小腸が疲弊したら――食べ物から栄養が吸収できず免疫力は低下、さらにはうつ病のリスクまで上昇。極端な話、大腸がなくなっても人間は生きていけますが、小腸がないと生命を保てません。「あるもの」を与えて、新陳代謝をうながしてあげる必要があるのです。



ニセのうま味ではダマせない
大好物は「天然だし」

わたしがいつも推奨している食物繊維や発酵食品は、細かく言えば「腸内細菌」のエサです。小腸は腸内細菌と協力して免疫などの仕事をこなしますから、これらをとりつづけるのはもちろん大切。けれども、小腸の栄養源はまた別にあります。

あなたは毎日味噌汁を飲んでいますか? じつは、だしのうま味成分である「グルタミン酸」が小腸の大好物。これはアミノ酸の一種で、コンブや干しシイタケ、緑茶など日本の伝統食品に豊富に含まれます。グルタミン酸は疲弊した小腸粘膜を修復し、さらには免疫細胞のはたらきも高めてくれるのです。

最近は便利な顆粒だしやうま味調味料が人気ですが、これらのうま味成分は化学的に合成されたグルタミン酸ナトリウム。いわば「よく似たニセモノ」です。うま味は再現できても、小腸にとっては異物。天然のうま味しか受けつけないとは、とてもグルメですね(笑)。

しかし愛しい腸のためとはいえ、毎日だしをとるのはわたしでも大変。そこでおすすめなのが、水にコンブなどを入れて寝かせるだけの「水だし」です。冷蔵庫に一晩置くだけで、じゅうぶんにうま味をとり出せます。2~3日冷蔵保存できますから、大きな容器につくり置きすると便利ですね。さっそく今日からはじめてみましょう。

コンブと煮干しで水だしにするのが藤田先生流。寝る前にセットし、翌朝そのまま味噌汁にしているそう。汁ものならうま味をあますことなくとれ、夏場のクーラーなどで冷えた腸も温まって一石二鳥ですね。